正月七日(火)戊寅(旧十二月七日・七草) 晴れ、寒い

「中仙道を歩く十一」で、道祖神について触れました。その時、東京国立博物館の庭に、「道祖神としては最古のもの」があるとの記事を紹介し、すぐにでも確認せねばと記しました。大護八郎著『路傍の石仏』といふ本にその画像まで載つてゐるのです(今日の写真参照)。それで、その思ひを遂げようと、今日、東博を訪ねました。しかし、結論を先に報告しますが、それが無かつたのです。

入館して、まづ、向つたのは、左て、法隆寺宝物館への道です。奈良出土のものださうですから、方向はまちがつてはゐないと思ふのです。芝生の中に建つてゐるかなと、あちこち目をこらしました。表慶館のぐるりも見渡しました。落葉を掃いてゐるおばさんにも聞いてみました。写真も見せました。「いや、見たことないですね」の一言です。

それでは責任者に問ひ正すしかありません。本館の門から入り、案内嬢に向かつて立ち、やをら道祖神像の写真を出して見てもらつたのです。ここでも、「いやあ?」です。モニター画面を出して調べてもくれましたが、ありませんね、とけんもほろろ。いつたい何時出た本なんですか、とこちらを疑ひはじめたのです。

こんなことになるとは思ひもかけませんでした。まさか、「秘密保護法」にひつかかつたわけではないと思ひますが、どうなつてしまつたのでせうか。謎です。団塊の世代の鑑にしなければなりませんと言つたかぎり、責任問題です。どなたか見かけた方はないでせうか。

がつくりしながら外に出て、どうしやうかと、悩まないのがぼくの特技です。素早く気分を変へて、動物園に入りました。いえ、ただ通り抜けただけです。一応入園したので、像さんを見たり、可愛い親子づれに手を振つたり、どうにかモノレールに乗つて、不忍通り出口に出ました。

バスがあるはづなんです。工事中のため、バス停が移動してゐましたが、早稲田行バスはすぐにやつてきました。けれど、まあ、大回りなんです。山手線に沿つて回るのかと思ふぐらゐです。やつてきたのは、お馴染み、西早稲田です。いはゆる早稲田通り、日本第二の古本屋街なのであります。今年お初です。

でも、まづは腹ごしらへと、交差点角の八幡鮨に入りました。創業百年です。なんとなく予感がありましたが、やはり、壁には、先代の、ではなく、その先代を称へた、くづし字の額(色紙?)が掛けられてゐたではありませんか。少し読めました。ですから、お寿司もとても美味しかつたです。

まあ、古本屋さんは、はつきり言ふと、活気がなくて、寂しかつたです。めぼしい本も見つからず、同じ系統のバスで、上野に引き返しました。ヨドバシカメラで、“jimdo”の参考書をさがすためです。先日、川野さんに教へていただいたのです。さすが、パソコン関係は、古書店ではまかなへませんからね。それで、一冊見つけたのですが、「かんたん」とは謳つてはゐるのですが、いやいや、ぼくの頭の構造が歪んでゐるのか、ちんぷんかんぷん! 頭を冷やしながら取り組んでみたいと思ひます。

 一日歩いて、八四五〇歩でした。

 

今日の写真:最古の道祖神像と、東博の玄関および新装なつたショップ。動物園が三枚。あとは、お寿司屋さんの外観と店内の額(色紙?)。