三月廿七日(木)丁酉(旧三月廿七日) 小雨のちやむ 

今日は、慈恵大学病院に通院しました。定例の通院ではありません。アブレイション手術に備へるための検査と診察のためでした。予約時間の一時間前に受付し、まづは血液検査、つづいて心電図とレントゲン撮影を行ひました。

呼ばれたのは、いつものやうに、予約時間より三十分遅れの、一一時過ぎでした。二週間前と同じ女子先生の診察室に入ると、はじめに、今日の諸検査の結果に異常がないこと、さらに、先日のCT検査によつても、冠動脈に異常がないことがわかつたので、予定通りに手術が行へることを告げられました。

それからは、入院してからの事になりますが、万全を期すために、入院した当日に、経食道心エコー検査といふのをするといふのです。ぼくにとつて初めての検査です。詳しく聞きました。すると、胃カメラと同じやうに、口からカメラ(?)を入れて、体内から直接に心臓を撮影し、心臓内に、不整脈でできた血栓のかたまりがあるかどうかを調べるのださうです。万一あつた場合、アブレイション手術をしてそのかたまりを壊しでもしたら、血栓が体内をめぐり、脳血栓で一巻の終りだからです。四年前にはなかつた検査です。ありがたいことですけれど、医療技術が進むとといふのも善し悪しだなと思つてしまひました。

 帰りには、グリーンカウンターといふところによつて、再度、入院当日の注意事項をお聞きしました。五日前から飲むのをやめる薬があること、当日は食事はとらないことなどです。退院の予定日が、定例の通院日の前の日なので、もう一日退院を延ばせませんかと聞いたら、笑はれてしまひました。

 

通院はぼくの〈公務!〉です。帰りには堂々と古本屋さんに行けるのです。今日は、今日からはじまつた、高円寺の西部古書会館の“歳末青札古本市”を訪ねました。三田線御成門駅で乗り、水道橋駅で中央・総武線に乗り換へ、高円寺駅下車。北口より数分のところです。ここへも、ぼくはたまに訪ねます。網を大きく広くひろげなくては、大漁は望めませんからね。

しかし、目ぼしいものは数冊だけでした。『彷書月刊 特集 殿山のタイちやん』(これが一番の掘り出し物かもしれません! しかも一百円!)、つづいて、中山義秀『芭蕉庵桃靑』、古田紹欽『奥の細道 心と足で辿る』、金森敦子『江戸の女俳諧師「奥の細道」を行く』、そして、嵐山光三郎『芭蕉紀行』です。こんなに見つかつてしまつたんですから、くづし字・古文書とあはせて、芭蕉について、とことん、でない、とこと、ぐらい読み込んでみようと思つてしまひました。まあ、横になりながらでも勉強できるんですから、感謝しなくてはなりません。はい。

 

今日の写真:再び、循環器・心臓外来カウンター。それと、高円寺駅北口から数分のところにある“西部古書会館”。