四月十五日(火)丙辰(旧三月十六日・望) 晴れ

今日は終日熱つぽく、横になつてうとうとと読書をして過ごしました。

昨夜から寝汗がとまらず、何度となく下着を替へました。熱は三十七度四分、五分といつたところ。朝食は焼きおにぎり一つ、昼食はコロッケサンド。あまり食欲はありません。

午後になつて、シャワーを浴びました。股と肩の鎖骨下の、カテーテルを挿入したあとのテープを剥がしました。シャワーや風呂に入つてもいいものなので、丈夫で、剥がしたあとが肌が爛れたやうに痛かつたです。出た後体重を測定したら、六一・〇キロまでさがつてゐました。入院した時には、六三・八キロあつたのにです。

 

うとうとと、ともいかないくらゐ興奮しながら、デズモンド・バグリイの『高い砦』(ハヤカワ文庫)を読み上げました。いや、血沸き肉躍るとはこの書を措いて何があるでせうか。最後の一頁、否、一行まで目をそらさせないんです。十八年前に呼んでゐても、面白いものは面白いんですね。これで、けつこういい汗をかきましたよ! 続いて、嵐山光三郎センセの『芭蕉紀行』は継続中にして、以前から弓道の先輩の齋藤さんから薦められてゐた、葉室鱗『銀漢の賦』を読みはじめました。最初の数頁読み進んだだけで、この書は裏切らないと思ひました。

夜になつて、熱が出たら書けなくなるので、夕方に記しました。病院生活のことも思ひ出したら書くやうにします。あ、明日は通院日なんです。先生に何て言はうかな?

 

今日の写真:最後まで拘束してゐた、認識票と腕の何時でも点滴できるやうに刺された針。そしてけふのラムと野良猫。