五月十二日(月)癸未(旧四月十四日) 晴れ、のちくもり

物憂い朝でした。外は晴れあがつてすがすがしいのに、まだ疲れが残つてゐたのかも知れません。そこで朝食後、また横になりましたが、案の定、一時間ばかりぐつすり寝込んでしまひました。そしたら気分が晴れ、午後から弓道場へ行つてみようといふ気になりました。

ほんとに久しぶりです。少し気が引けなくもありませんでしたが、道場に入つたら、齋藤さんだけでしたので、自由な気持ちになつて、しまひには、お互ひに写真を撮りあつてしまひました。もちろん、先生がくださつたノートに、記録は正確につけました。

使つてゐなかつた体の部分がギシギシしました。こころなしか、十分に弓を引き絞ることができません。使はなければすぐに技も、体も退化していくことを思ひ知らされた今日のお稽古でした。

 

碓氷峠についての予習は順調に進みました。しかし、先入観を持つてしまふというほど、イメージをかためてしまつたわけではありません。あるていど思ひ描くことができれば、それでいいとしなければなりません。なんといつても、現地を踏みしめたそのときの自身の感応を信じたいです。はい。

 

今日の写真:弓道のお稽古風景。かけ、ゆがけ。「かけがへのない」命などの語源となつた、弓を引くには、かけがへのない道具)をかけてゐるところと、齋藤さんとぼくの射の姿。「会(くわい)」に入つたところ。