五月二十三日(金)甲午(旧四月二十五日) 晴れ

少し早めに家を出て、神田の古書会館に寄り道しました。まあ、短時間のひやかしみたいなもんでしたが、伴淳三郎の『伴淳のアジャパー人生』なんて本を見つけてしまひました。

伴淳三郎はアジャパーな喜劇役者ですけれど、ぼくにとつては、『飢餓海峡』の弓坂刑事がすべてですね。殿山泰司、タイちやんにとつて、『裸の島』がさうであるやうに、この役のために選ばれたといふしかない当たり役ですね。

どんな人にも、きつと、そんな当たり役といふか、ぴたりと、そのために選ばれたとしかいへない役回りがあるんではないでせうか。逆に、役にはまつてゐないと感じられる人生をだれしも演じてゐるのかも知れません。そんなことを感じてしまひました。

 

無事夕方にはホテル棟に到着し、温泉と食事をいただきました。そして、寝るまで、『蜩の記』を読みました。

 

今日の写真:『飢餓海峡』の弓坂刑事こと伴淳と高倉健。伊豆箱根鉄道線、修善寺駅。田植ゑのすんだばかりの田んぼ。