六月四日(水)丙午(旧五月七日) 晴れのち曇り

西新橋の慈恵大学病院、心臓外科外来に通院しました。アブレイション手術を受けて退院した、翌々日の四月十六日に通院して以来です。一〇時半の診察予定なので、一時間前には受付し、血液検査を受けました。検査の結果が出るまでに時間がかかるからです。

しかし、案の定、予定にはなかつた心電図検査を受けさせられました。ぼくの自覚としては、以前のやうな激しさは感じられないんですが、不整脈が再発してしまつたやうで、その場で、隣接する循環器内科の不整脈専門医にまはされてしまつたのです。

五月になつてから、〈体力回復強化散歩〉を七回、中仙道を三回歩き、しかも碓氷峠越えといふ山登りでしたからね、その疲れが出てしまつたのだなと、反省せざるを得ません。医師に説明といふか、言ひ訳をしようともごもご口にしたんですけれど、どうしたんでせう、お医者さん、その原因とかを問はうとはしないんです。

ぼくとしては、再発した「罪」を問はれるのを覚悟して臨んだんですが、いいのかわるいのかわかりませんけれど、お医者さん、もつとよく調べませうといふだけなんです。それでまた、“ホルター心電図”を装着して、二十四時間検査をすることになつてしまひ、来週また通院しなくてはなりません。

 

帰路、久しぶりです、めげずに神保町の古書店街を見て歩きました。以下、求めた本とその説明です。

まづ、『シリーズ日本人の手習い 旧字旧かな入門』(柏書房)ですが、附録に、パソコン・ユーザーのためにとして、「変換辞書」をダウンロードすれば、旧かなで入力したかなが正しく旧かなに変換されるといふので買つてしまひました。「例へば」を書かうとして、「たとへば」と入力変換すると、現状では「田と減場」と出てしまひます。ですから、「例えば」を出しておいて、「え」を「へ」に変へなければならないわけですが、はじめから「例へば」と出てくれればしめたものです。しかし、三つ紹介されてゐるダウンロード先を開いてみましたが、それからがわからなくてお手上げ!

 次は、『冷泉家時雨亭叢書 明月記一(藤原定家自筆重要文化財)』(朝日新聞社)です。活字本はあるんですが、これは影印本です。定価の十分の一の値段、八木書店二階の特価コーナーで見つけました。

さらに、『夢酔独言』(東洋文庫)です。先日から読んでゐる、『父子鷹』と『おとこ鷹』の主人公、勝海舟の父親の勝小吉が書き残した本です。その勝小吉は、坂口安吾に言はせると、「不良少年、不良青年、不良老年と生涯不良で一貫した御家人くずれの武芸者であつた」と述べつつ、本書については大絶賛してゐるんです。勝小吉は、文筆もままならぬやうでしたが、唯一書きのこしたのが、『夢酔独言』でした。これを子母澤寛がタネ本として、『父子鷹』と『おとこ鷹』を書いたんですね。面白いはづです。

 

今日の写真:慈恵大学病院。さくら薬局の待合室。神保町古書店街。