六月六日(金)戊申(旧五月九日) 雨、昨日に続いて肌寒い 

今日も一日読書、『おとこ鷹(下)』を読み進みました。しかし、うとうとしながらでしたので、そんなにはかがいきませんでした。

さうかうするうちに、ネット注文した本が二冊届きました。一冊は、諸田玲子著『お順 上 勝海舟の妹と五人の男』(毎日新聞社)でした。これは、『おとこ鷹』を読んでゐて出てきた、勝海舟の妹なんですが、まあ、いやな女なんです。と思つてゐたら、ネットで偶然本書を知つたんです。それで注文しました。今読んでゐるところでは、お順ちやん、佐久間象山の妻に請はれたはいいが、父親の小吉に反対されてゐるところなんです。どうなるのやら・・。

もう一冊は、悩みに悩んで注文した、峰岸明著国語学叢書・変体漢文』(東京堂出版)です。これは、もう二・三年前から目をつけてゐたんですが、あまりにも高価なので控へてゐたんです。ぼくは、純粋漢文(いはゆる中国古典文学)にはほとんど興味ありません。もつぱら、我が国の古典、特に、歴史書、古記録、戦記、古文書などに興味津々なんですが、これらはすべて変体漢文で書かれてゐるんです。純粋漢文からすれば、ずれてゐるわけなんですが、そのずれ方の研究本です。

いはば、純粋漢文と漢字假名交り文の中間にある表記のやうですので、純粋漢文にくらべれば、使はれてゐる漢字もわかりやすいし、例へば、『吾妻鑑』なんて面白いやうに読めてしまひます。中仙道に追はれてゐたので、しばらくご無沙汰してしまひました。

 

従兄の井田善啓さんが、ツイッターで、老猫が失踪したことを詠つてゐます。

「失踪をして四日目の夏の夜わが老い猫がひょっこり帰る」

さういへば、猫は死期を悟ると姿を隠すんでしたね。そこが犬と違のでせう。

ところで、善ちやんは「歌」の世界では名が知れてゐるやうなんですが、ぼくは、和歌にしろ俳句にしろとんと疎いので失礼してゐます(Yahooで「井田善啓」で検索してみてください)。

 

今日の写真:諸田玲子著『お順』と峰岸明著変体漢文』。井野川の土手にて。左から、従弟のまさみ君、その兄、井田善啓さん、ぼく、弟、妹。一九五七年頃か?