六月十三日(金)乙卯(旧五月十六日・望) 晴れ、ひる雨のち曇り

昨夜は数時間おきにラムの様子をうかがひました。息をしてゐるかどうか確かめずにはおれなかつたからです。

三谷幸喜さんの飼犬(ゴールデンレトリバー)は、動けなくなつてから、三週間後に亡くなつたといふことです。それは、飲み食ひもしなくなつてからといふことでせうか。ラムの場合は、あと一、二週間ぐらゐはがんばれるのかなと思ひます。

 

「中仙道紀行十四」、軽井沢宿のところから進みません。そんなで、『勝海舟』を読みはじめてしまふし、一応気が気ではないんです。

その、「中仙道紀行十四」のためでもあるんですが、佐藤忠男著『長谷川伸論 義理人情とはなにか』(岩波現代文庫)をのぞいてみたんです。長谷川伸は、有名な『沓掛時次郎』を書いてゐるんですよね。ぼくは、どうも戯曲を読む気がしないんで、入手するほどでもないかなと思つてはゐるんですが、まづ、手もとにある佐藤忠男『長谷川伸論』を開いてみたわけなんです。

そのわけは、「中仙道紀行十四」の中軽井沢にあつた、「沓掛時次郎の碑」について何か述べたいと思つたからですが、佐藤忠男さんのこの本の目次を見て、引きつけられたからでもあります。

「忠誠心の二つの道・一宿一飯ということ・命令と良心・見捨てられた者たちのために・苦労人の立場・義理と意地・『孝』と『忠』について」等です。「沓掛時次郎」は、「一宿一飯」の章で出てきます。が、長谷川伸が問題にしてゐるのは単なる任侠世界ではないやうなのです。詳しくは、「中仙道紀行十四」のなかで触れたいと思ひます。

 

今日のラム: 水を少し飲んだだけで、食事はせず、散歩も午後に玄関からほんの十メートルたらずのところでオシッコをしだけ、あとはまるで寝たきりでした。

 

今日の写真:昨夜と、けふのラム。