七月十三日(日)乙酉(舊六月十七日・お盆 迎へ火 曇り時々小雨

五日ぶりに我が家に歸つてきました。ラフォーレ修善寺の仕事と仕事の間が中途半端に空いたので、歸宅してしまふよりは、しばらく訪ねてゐなかつた淸水を訪問してしまはうと思つたからでした。

淸水では、マリちやんの家にやつかいになり、しかもドライブまでして樂しんでしまひました。食事は、淸水嶋のお父さんが作つてくれたモツと鶏肉のピリ辛煮と仙臺そばをたつぷりいただくことができました。

これもラムが時間をくれたからです。妻とも五日も離れて過ごしたのは入院を除いてはありません。少しは關係修復(?)のためになつたのでせうか!

歸宅後、先日作成した、『ラムの晩年』と題した二七〇枚ほどのファイルを二人して見ました。東京にやつて來てからの寫眞集です。亡き父との散歩の寫眞が目立ちます。また、今年に入つてからは、ぼくとともにゐることが多くなりました。そして、ぼくと妻とに見守られて迎へた最後の日々。幸せな最期だつたなと、ラムの悲しげな、憂ひをふくんだそのまなざしを見ながら、二人で涙ぐんでしまひました。ラムのゐないこれからの日々を、妻と仲良く過ごしていきたいと思ひました。

 涙ぐんでゐたら、母の、お迎へ火よ、といふ聲で現實に引きもどされ、玄關前に出て、みなで苧殻(をがら)燃やしました。そこにちやうど濱口さんのおばさんが歸つてきたので、母と一緒に寫眞を撮つてあげました。

夜には、またラム追悼散歩をはじめました。二人して、先ほど見た寫眞を思ひ浮かべながら、ラムが本當に幸せな一生を送つたことを確信しました。

 

歸つたら、ネット注文した、大佛次郎、文春文庫版の『天皇の世紀』一、二、三、四と、萩原延壽『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄』(朝日文庫)の七、八卷、それと、北方謙三『草莽枯れ行く』(集英社文庫)が届いてゐました。最後のは、相樂總三の話のやうなんです。また、文春文庫版の『天皇の世紀』は、朝日文庫版(十七)にくらべて、活字が大きく讀みやすいし、卷數も十二なんです。

 

今日の寫眞:父とラム。歸宅後、我が家玄關前にて、母と濱口さんのおばさん。迎へ火を前に、ぼくと妻。