八月八日(金)辛亥(舊七月十三日) 曇り、日中時々小雨

 

朝食後、妻が出かけるといふので、青砥驛まで一緒に車に乘せてもらひました。服部さんに、『東京散策紀行』をお屆けするためでした。それと、ちやうど途中になるので、葛飾區役所となりにある、葛飾FMを訪ねました。といふより、先回お訪ねしたのが、この『東京散策紀行』の最初の訪問地でしたので、一應禮儀として、『東京散策紀行』の出來たてをお屆けしたといふわけなのであります。ただ、妻を待たしてゐるので、ゆつくりとお話はできずに後にしました。

 

そのまま、今日は、神田の古書會館に行きました。金曜日、初日でたいへん混んでゐましたが、こんなことでめげてゐては生きていけません。さがしました。そして、見つけました。

古記にはいつもアンテナを張つてゐるのですが、どんぴしやでした。『言繼鄕記(ときつぐきようき)』の四册です! 一五二七年から一五七六年の日記ですから、まるまる武田信玄が生きてゐた時代の日記です。まあ、都の貴族の日記ですから、信玄さんのことなど記されてゐないと思ひますが、織田信長については、「足利義昭を奉じて上洛」の記事などがみられるやうで、「戰國期畿内の屈指の史料」といはれてゐます。

もう一册は、『康富記(やすとみき)』です。一四一七年から一四五五年、四代將軍足利義持から、七代將軍足利義勝の時代の、やはり都の貴族の日記です。「朝野の事件・身辺の瑣事・市井の雑事も筆まめに記述。ほか和歌・連歌・漢詩・絵巻物から勧進平家・猿楽、当時流行した七観音詣におよび、興味深い史料となつている」と、かうありますからね。早く讀みたいです。

 かういふ第一級の史料が、三千圓と五百圓ですよ。喫茶店でコーヒーを飮むのを我慢すれば買へてしまふのです。もちろん、ぼくはコーヒーは家で飮やうにしてゐます。 

 

今日の寫眞:小宮山書店のガレージセール。三省堂裏の盆栽賣り場。それと、今晩のデザート。お初の梨。

 


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