十一月廿四日(月)己亥(舊十月三日) 晴、曇天、雨

 

今日も、明日に迫つた「中仙道を歩く」の上松宿から三留野宿までの豫習をしました。めだまは、寢覺の床と小野の瀧くらゐで、あとは現地に足を運んで、どんな出會ひがあるか、それから考へたいと思ひます。

 

この三日間、寢る時に、『変体平仮名演習』の「演習用本文」を讀んできました。はじめの、「古今和歌集抄」には手こずりましたが、「伊勢物語抄」はすらすらでした。第一段から第十五段まででした。そして、つづいて、「源氏物語 花散里」にかかりましたら、また俄然難しくなりました。何が難しいかといふと、實は文字を讀めることは讀めるんです。しかし、意味がとれないんです。どこで區切つたらよいもんやら、濁點を打つたらよいもんやら、口に出して讀めないんですね。

それは、今まで『源氏物語』を讀んだことがないので、内容はもちろん、言葉や單語の使はれ方がわからないからだと思ひます。それで、あんちよこを出してきました。山岸德平校注『源氏物語(一)』(岩波文庫)と、與謝野晶子譯『全譯 源氏物語(二)』(三笠文庫)の二册です。前者では、一字一句確かめながら、文意をつかむことができました。が、後者によつてはじめて、物語としての流れがつかめました。そもそも、「花散里」を「はなちるさと」と讀むなんて!

いやあ、同じ日本語といつてもむづかしいものです。慣れるしかないのでせうね。

 

今日の寫眞・・明日訪ねる「寢覺の床」は寫眞で見ることができたので、「小野の瀧」がどうであるのか、想像しがてら、同じ小野の瀧を描いた、葛飾北齊と、廣重の「上ヶ松」の圖をあげておきたいと思ひます。さあ、實際はどうでせう。樂しみです。

 


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