正月廿八日(水)甲辰(舊十二月九日 晴、氣温低い

 

今日二日目。吐く息が凍つてしまふかのやうな寒い朝でしたが、昨日のゴール、深萱立場から出發しました。十三峠プラス七峠の途中からです。

再び上つては下りの峠道といふか坂道の連続でした。西坂、茶屋坂、新道坂、觀音坂、權現坂、鞍骨坂、吾郎坂、巡禮水の坂、びやいと坂、曽根松坂、地藏坂、しゃれこ坂、そして最後の二十坂目が山之神坂でした。中には、南畝さんの紀行を援用して記した石碑もいくつか見られました。

十三峠プラス七峠が終つたところが、大湫宿で、そこの公民館では貴重な資料をたくさん手に入れることができました。

 

一里塚は、造りなほされたのもあるやうですが、そのほとんどが兩塚健在してゐたのには驚きでした。今日は、日本橋から九十番目の權現山一里塚、琵琶峠の途中にある八瀨澤一里塚、奥之田一里塚、鴨之巣一里塚の四つでした。

こんなにも困難な道ですから、明治になつたとたんに放棄され、そのおかげでほとんどの一里塚が残ったのでした。大湫宿を過ぎた所の琵琶峠の石畳なんかは、昭和四十五年に發見されるまで土に埋もれてゐたさうです!

一里塚だけではありません。大鍬宿も懐かしい雰圍氣が残されてゐましたし、細久手入口近くには、處刑場があつて、晝食後、川野さんと確認しに行きました。

その他にも、變はつた觀音さまや馬頭觀音や道祖神も興味深かつたです。いや、鎌倉街道へ通じる分岐を見たときには、何だか武者振るいしてしまひました。

全體的にいいハイキングコースのやうでした。ゴールの津橋には二時四〇分に到着、二七八六〇歩てした。

大變で樂しかつたのは、ホテルに着いたあと、リーダーの山寺さんに薦められて、裏山の鬼岩公園めぐりに參加したことです。登りは單調な階段や坂道でしたが、頂上の蓮華岩からの眺めは素晴らしいの一語につきました。遠く御嶽山も見られました。また、その蓮華岩を回り込んで下りた渓谷の巨岩奇岩珍岩のものすごいこと、壓倒的でした。一周するのに一時間ちよつと、三二〇〇歩でしたが、なんだか、中仙道の陰が薄れてしまふほどでした!

 

今日の寫眞・・觀音坂手前の田園を行く。大田南畝さんの『壬戌紀行』の一節が刻まれた曽根松坂碑。琵琶坂途中の八瀨澤一里塚。それと、鬼岩公園、蓮華岩の頂上附近。

 


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