正月卅一日(土)丁未(舊十二月十二日 晴、風が冷たい!

 

今日は、神田の古書會館で、「和洋會」の即賣會に出かけ、つづいて、はじめて五反田の古書會館に足を伸ばして、「五反田遊古會」の即賣會を見てきました。五反田は、明學時代にはよく歩いたところですが、まつたく面影がありません。五十年も前ですから當然なんでせう。

これで、本部(神田)と西部(高円寺)と南部の三古書會館を制覇したことになります。それぞれ、微妙に傾向が異なるところが面白いですし、また興味深いところです。

 

 きょうの讀書・・丸谷才一著『鳥の歌』(福武文庫)のはじめの三章を數日かけて讀み終りました。著者自身、本書は、「『忠臣藏とは何か』に対する長い長い注のやうな本になつてゐます」と言つてゐますが、『忠臣藏とは何か』を批判した方との論爭になつてゐるところが面白くて、ついつい引き込まれてしまつたのでした。「御霊信仰は日本精神史において最も有力な宗教でした。日本歴史の急所のところには、たいていこれが顔を出します」。つまり、「(仮名手本)忠臣藏」は、四十七士といふ怨霊の祟りを鎭めんがための公演だつた。しかも、將軍家への内なる批判をもこめた舞臺だつたといふのです。評判になるはづです。面白いぢやあありませんか!

 それで思ひ出したんですけれど、昨日の無氣味な寫眞の正體は、後醍醐天皇の怨霊でした。そして、その怨念を鎭めるために、足利尊氏が天龍寺を造營したといふ話でした。佐野史郎さんもだいぶ無氣味です。はい。

 また、往き歸りの電車の中で、『和泉式部日記』(岩波文庫)の解説を讀みました。要を得た解説で、和泉式部のことがおぼろげながらもわかつてきました。紀行を書くのに直接は役立たないかも知れませんが、影印本の、『榊原本 和泉式部日記』(笠間書院)が手元にあるので、この際讀んでみたいです。

 

今日の寫眞・・五反田のそば屋。あんかけワンタン麺がうまかつたです。

 


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