二月十日(火)丁巳(舊十二月廿二日 晴

ヨハネス・ラウレス著『きりしたん史入門』(エンデルレ書店)を讀み進みましたが終へませんでした。まあ、お勉強ですから、人物が出てくれば、フロイスの『日本史』の索引を引いて確認したり、事件があれば年表に書き入れたりしたので、容易に前進しません。けれども、ことがらが立體的に浮かび上がつてくることは確かなのであります。

それで、午後、讀みたいとは思つたんですけれど、購入するほどでもなかつた、『日本思想体系25 キリシタン書・排耶書』(岩波書店)を借りに、お花茶屋圖書館に行つたのです。ところが置いてなくて、妻の運轉で立石圖書館まで行つてもらいました。たしかにありましたし、借りることもできましたけれど、そこでぼくは改めて圖書館ていふのはつまらない所だなあとしつかりと思つてしまひました。魅力がない。わくわくもしない。求めてゐる本があればいいけれど、なければその落膽たるやはてしないものがあります。

それにひきかへ、古本屋は天國です。魅力むんむん、好奇心が刺激され、冒険心がくすぐられ、わくわく感で時間のたつのを忘れてしまひます。天國が言ひ過ぎならば、寶の山とでも言ひませうか。どんな掘り出し物があるかわかりません。

圖書館でなにが嫌かといへば、ものが食べられない、居眠りができない、ろくに鼻もかめない、ましてやおならもできません。身じろぎができないとはこのことを言ふのでせう。何樣だと思つてゐるんでせうか。たかが本を借りたり、そこで讀めるといふ場所でせう。もしうるさい人がゐたらお互ひに注意すればいいだけのことで、ちよいと居眠りしたからといつていちいち、「どこかお惡いのですか?」なんて起こしにきて、ほんとに慇懃無禮とはこのことです。誰の迷惑になるといふのですか。

それにしても、みなさんよく靜かにぢつとしてゐられますね。自己規制なんでせうか。ああ、嫌だ嫌だ嫌だ! ぼくはァ飼ひ慣らされたくはありませんです。その静寂に、ファシズムのかすかな臭いを嗅いでしまふのは、ぼくだけでせうか。

圖書館を出てからは、妻には先に帰つてもらひ、歩いて、そして、もちろん古本屋を二軒のぞいて歸つてまゐりました。厄落とし、なんてぼくが言つてはいけませんが、心の底からせいせいしました。ハッハッハ。

 

さあて、「蟲喰ひ川柳」の正解が發表されたでせうか。

あれ? 救ひを求めてこられたジュンさんから、「首題の件、申し訳ありませんが、正解の報告は次月となってしまいました」といふメールが届きました! あれれれ、これは、お預けといふか、肩すかしですね。

でも、これで、まだまだ考へる時間ができたといふことですし、また、それなら再度挑戰しようかといふ方が出てくるかも知れません。それに、樂しみが持續していいんぢやあないでせうか。ご本人はたいへん恐縮してをられますけれど、みなさんはきつとお許しくださると思ひます。

 

今日の寫眞(前頁)・・管理社會の象徴「立石圖書館」と魅力むんむんの古本屋「岡島書店」。それに、スポーツ、ではない、體力・筋力トレーニングの殿堂、妻が通つてゐる四つ木“メガロス“です。



以下、みなさんにお送りしたメール文です。

 

こんばんは。

さてさて皆樣方、お待ちだうさまでした。多少なりとも考へていただけましたでせうか? 今日、予定通りにいけば、「蟲食ひ川柳」の正解が明らかになるはづでしたが、實は、正解は次月に繰り越されたとのメールが届きましたので、お知らせしたいと思ひます。 

依賴といふか、救ひを求めてきたのは、中仙道旅仲間のジュンさんです。ぼくと同じジュンなんですが、實は、ジュンさんとは、十二月の旅のときに、たまたま同じ大學のオービーであることがわかりまして、それで、そのあとで、ぼくの正體を知つてか知らずか、救ひを求めてこられたのであります。 

もちろん、ぼくの専門とするお救ひとは種類を異にするんですが、いやあ、この際、そんなボーダーラインを飛び越えまして、救濟のために奔走し、それで、皆樣方にもご協力を願つたわけなのであります。 

さて、それでは、解答は来月に回しまして、今日は、お寄せくださつたみなさまの怪答、珍答を公表させていただきたいと思ひます。それで、猶豫された期間に考へていただく參考にしてもらはうと思ひます。いかがでせうか。ただ、ご名譽のために、お名前は控へさせていただきませう。 

お寄せいただいた順番に、お答への部分だけお載せいたします。

 

(1)虫食い川柳、『人(ひと)』(グループは人類または世間)ではないでしょうか。ちょっと安易すぎますかね。川柳はセンス全くなしです。地元の図書館で当たってみましたが、アプローチからわかりません。ただ、朝日新聞から□を埋める同じような「虫食い川柳集」本が出てました。こういうゲームがあるんですね。その時、目にした江戸川柳、木曾義仲の愛妾、女武者巴を詠んだ一句です。『木曾小声巴ここは鞍ずれか』。臨場感ありますね。別の図書館を当たってみましょう。あまり期待しないでください。

 

(2)今晩は!  メール拝見しました。ネットで探そうといじっていましたら、KG同窓会のページに出題されていました。中村さんが手を焼く問題、大変申し訳ないのですが私にわかるはずありません。悪しからず…

 

(3)今晩は。今日は節分ですが、如何お過ごしですか。家内が、今日は逗子の次男坊の所へ、家事サポーターで出かけましたので、先ほど一人で、小声で、豆まきをしました。いまどきの豆は、柔らかく仕上げてあるので、歳の数も食べられそうですが、恵方巻きを一本食べたのでやめました。独り身は小さき声で福は内・・ 

さて川柳ですが、私は以下のように考えました。 

   隅っこの席がうるさい縄のれん         久春
   ひとつずつ荷物を捨てて楽になる       西秋忠兵衛
   美しい村から嫁がいなくなる           春日井五月
 

いかがでしょうか? 

 

(4)こんにちは、今日は静かな良い日になりました。雪にならねばよいが、朝一で野菜の出荷に行くので、雪は困る。お尋ねの川柳ですが、私なら「人」を入れます。

 

(5)おはようございます・・・・ それと蟲食い川柳は、昨日図書館へ行って調べてみましたがわかりませんでした 想像は出来ても正解にはなりませんよネ 申し訳ありません

 

(6)川柳の件ですが、難しいですね。

最初の一句目は、蝿(はえ)か客(きゃく----きゃは一字と考えて良い)だと思うのですが、二句目・三句目は全く分かりません。蝿の虫偏或いは昆虫類と考えると、二句目 は蝶(ちょう)。三句目 は蛇(へび)・蟻(あり)・虻(あぶ)・蝉(せみ)・蛛(くも)が考えられますが、しっくりきません。同様に客の場合も、うかんむりと考えると二句目 は寅(とら)。三句目 は害(がい)となりますが、問題外でしょう。客のふりがなの語尾で合わせると二句目 は楽(らく)三句目 は悪(あく)となりますが、全然ダメですね。ということで、降参です。参考になれず、申し訳ありません。

 

(7)寒い日が続いています。お変わりありませんか? 宿題の川柳の穴埋めですが、平凡な頭ではなかなか思いつきません。いろいろ考えましたが、

隅っこの(奴、妻、蠅、俺)がうるさい縄のれん

ひとつずつ荷物を捨てて(僧、空(くう)、俺)になる

美しい村から(人、俺)がいなくなる 

三句とも俺にします。安易ですね。正答が聞きたいです。お風邪にはお気をつけください。遅くなりましたが期限守りました。 

 

以上、7名の方が「怪答」をお寄せくださいました。さて、正解はどなたでせうか。(3)なんて、正解つぽいですね!

 

いやいや、これからも是非考へていただきたいと思ひます。珍答、快答、をお待ちしてゐますので、呉々もよろしくお願ひいたします。では、來月をお樂しみに。

おやすみなさい。  ひげ 二〇一五年二月十日


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