五月卅日(土)丙午(舊四月十三日 曇り

 

今日は、昨日の揉み揉みのためか、まだ旅の疲れが抜けきれてゐないのか、やる氣が起こらずして横になつて讀書三昧。おかげで、林望著『書物探偵帖』(講談社文庫)を讀み終へることができました。さらに、『書藪巡歴』(新潮文庫)を讀みはじめてしまひました。實に面白くて、ぼくの勉強のために役立つ情報が盛りだくさんなんです。

 

今日の讀書・・くづし字の勉強も、勉強の段階から一段階進み、樂しめるやうになつてきました。『小倉山庄色紙和歌(百人一首古注)』は繼續して讀み進み、今日は、和泉式部の「あらさらむ此よのほかの思ひてに今ひとたひのあふよしもかな」と、紫式部の「めくりあひてみしやそれともわかぬまにくもかくれにしよはの月かな」でした。ところが、それぞれの歌のあとに、「古注」がやはりくづし字で語られるのですが、それがピントこないところがあつて苦勞します。

また、本を整理をしてゐて、たまたま手に取つた、古典文庫の『和歌威徳物語』が面白く、といふのは、讀めたからですが、元禄二年(一六八九年)に刊行された本が讀めるなんてうれしいぢやありませんか。内容は、例へば「神明歌を感じ雨を降し給ふ事」といつた、和歌の効用を綴つた面白本です。

林望先生に言はせたら、書誌學的に、この本は、(一)元禄二年板本 初版初刷本、(二)安永頃覆刻本、(三)後刷抄出本、とかがあつて、どのくらい刊行されて讀まれたものなのか、が問はれるところでせうが、ぼくは、面白ければいいのであります。すみません。

 

今日の寫眞・・昨日、妻が唯一の友だちと會ひに出かけ、いただいてきたぼくへのプレゼント。珍しいかたちのランプであります。でも、今の生活では活かすべき場所がないですね。これもすみません。

 

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