二〇一五年六月(水無月)十一日(木)戊午(舊四月廿五日 晴のち曇り

 

『歴史紀行四十九 中仙道を歩く(廿七)』(赤坂宿~醒井宿)を書きつづけました。二泊三日の旅が、でも、まだ一日目も濟んでゐません。その原因は、少しどころか、だいぶ濃い内容になつてしまつたからです。さらつと流さうかと思つてゐたのに、さうは問屋が卸しませんでしたね。

もう、すでに、一日目だけで前編となることがはつきりとしました。ですから、最低でも二册、問題は、二日目と關ヶ原とで、一册にまとめられるかどうかですね。

 

今日の讀書・・志水辰夫著『引かれ者でござる』(新潮文庫)を讀了。いやあ、面白い。何故かといふと、シミタツの小説は、地圖でたどれる物語だからなのです。現代小説もさうだつたのを思ひ出しました。追ひつ追はれつ、逃げ回る物語でした。

『つばくろ越え』と『引かれ者でござる』では、例へば、武生から九頭竜川上流の山道、笛吹川から富士山西北斜面の山村、阿賀野川上流の三川、津川あたりから阿賀野川沿ひに山越えして會津にぬける山道、そして、木更津の小櫃川上流、久留里から龜山あたりの炭焼きの道、などなどの道の話です。みな地圖を片手にむさぼり讀みました。地名がそのまま確認できるわけではないんですが、どういふ土地や地形、風景なのかは充分に想像できるのです。ぼくは、かういふ物語が好きでたまりません。

 

今日の寫眞・・志水辰夫著『つばくろ越え』と『引かれ者でござる』(新潮文庫)。

 

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