六月廿八日(日)乙亥(舊五月十三日) 晴
ラフォーレ修善寺にて。
今日の擧式は、午後二時からでしたので、持參した本を讀みながら待ちました。昨日出がけに手にとつた、菅野昭正・編『書物の達人 丸谷才一』(集英社新書)が面白さうだつたので、讀みはじめたら、夕べのうちに讀み終へてしまひました。
それで、豫備に持つてきた、『小倉山庄色紙和歌(百人一首古注)』と、『和歌威徳物語』(古典文庫)(自分で、卷ごとに切り取つて分册にしたもの)を交互に讀んでゐました。『小倉山庄色紙和歌』のはうは、もう九十歌まできたので、獨特なくづし字もほぼすべて讀めるやうになつてきました。ただし、字が讀めるだけ、すべて平假名で句點も讀點もないので、意味をつかむのがいまだにして至難の業です。一應あんちよこの文庫本も持つてきたので、最後には見てしまふのですが、その漢字假名交り文をみて、はじめて合點がいくことしばしばです。
たとへば、次の歌なんか、とくに分かりにくかつたです。
「よの中はつねにもかもななきさこくあまのをふねのつなてかなしも」(鎌倉左大臣)
また、『和歌威徳物語』は、超短編集です。漢字にはふりがながついてゐるので、どうにか讀むことが出來ます。もちろん、ふりがなといつてもくづし字です。その卷一(第一分册)を歸りの新幹線の中で讀み終へたので、歸宅後早速二冊目の分册を作りました。
ところで、お仕事のはうは、お二人だけの擧式でした。四十六歳と四十四歳の方でした。とても落ち着いお二人で、ぼくは、ほとんどアドリブでお話をしてしまひました。
さうさう、昨日の夕燒け、地元の社員の方が言ふには、數年に一度見れるかどうかの珍しくも素晴らしい自然現象なのださうです。はい。
今日の讀書・・菅野昭正・編『書物の達人 丸谷才一』(集英社新書)讀了。
今日の寫眞・・宿泊したホテルの部屋。擧式後の一齣。