十月九日(金)戊午(舊八月廿七日 晴

 

昨晩は遅くまでかかつて、『歴史紀行五十六 北国街道を往く(二) 加賀街道編』の下書きとして、六日の日記を書きました。約四千字書いたことになります。もうこれで、十分とは思ふのですが、芭蕉のことなども書き加へたいですね。まだ『中仙道を歩く(卅・後編)』ができてゐないんですから、あわてることはありません。

 

ところで、明日はラフォーレ修善寺のお仕事が入つてゐます。ぼくの唯一の社會の接點ですけれど、それも最近は途絶えがちです。まあ、途絶するまではつづけたいと思つてゐます。

それで今日は金曜日、神田古書會館の古書即賣展の開催日です。その城南展には五十嵐書店さんが出展されるので行かない譯にはいきません。少し早めに家を出て訪ねました。

五十嵐書店は古典籍や歴史書が専門ですが、よく影印書を出してくれるんです。それも格安なのでぼくにとつては宝の山! 二時間ばかり探し回つて買ひ求めました。はたして、『天明四年版・蕪村句集』(笠間影印叢刊)と『享和元年成・蕪村遺稿』(同上)と、近頃關心が向いてゐる、水田潤著『仮名草子の世界』(桜楓社)などを發掘! それはその場で送つてもらひ、氣持ちを切りかへて、一路、修善寺へと向かつたのでした。

今日のラフォーレ修善寺はすいてゐました。いつもは、中國人觀光客が犇めいてゐて、なんとなくざわついてゐるんですが、靜かなものでした。ホテル棟にチェックインし、部屋に落ち着くまもなく温泉に入りましたが、温泉もぼくが一番乗りらしく、一人のんびりと疲れを癒すことができました。それから夕食まで横になつて過ごし、一冊時代劇を讀了。また夕食が豪勢で、すべて美味しくいただきました。

ただ、殘念なことに、ラフォーレ修善寺のテレビはBSが映りません。それで持參した芭蕉の『奥の細道』の和本を出し、「市振」のところを讀んでゐるうちに寝入つてしまひました。

 

今日の讀書・・森詠著『お~い、半兵衞(六) 劍客無双』(学研M文庫)讀了。

 

今日の寫眞・・今日の切り抜きと刈り入れが終つた田圃。このあたりでは、稻束を干さないらしい。ホテルの部屋にあつた「日本の風呂の入り方」(表裏)。靜岡縣として出されたもののやうですが、どこもかしこも困つてゐるやうです。さういへば、ホテル棟内に、日本語と英語と中國語で、ここからは研修室だから一般客は入らないようにとか、いくつか注意表示がなされてありました。

 



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