十月廿四日(土)癸酉(舊九月十二日・霜降 晴

 

今日は、昨日からはじまつた 「神田古本まつり」 に行つてきました。しかし、まづは古書會館で開かれてゐる古本市を訪ねました。今回は「特選古書即売会」と謳つてゐます。ここは、いい本が凝縮されてゐるので最初に見ておかなければなりません。探すのは史料です。

何册か見つけながら歩いてゐると、床の上に小型の段ボール箱のやうな「帙」が積まれてゐました。金色の布で被はれた帙です。しやがんでよく見ると、それは群書類從でありました。例へば、「日記部 全」の帙には、『和泉式部日記』など十册、「紀行部 上」には、『土佐日記・いほぬし』など七册といつた具合です。それらはもちろん、塙保己一が出版した際に用ゐた、櫻材の版木で印刷された和本です。いつ頃のことかわかりませんが、新しく印刷して和本に綴じられたものでせうね、活字印刷本はすでに手元にありますが、これはくづし字の原本です。どうせ讀むなら本物で讀みたいですね。

たくさんの箱、いへ、帙の中から、「日記部」一帙、「紀行部」二帙、そして、「軍記部」四帙を選び、求めてしまひました。特に、「軍記部」が面白さうです! いや、心配はご無用。ちよつと豪勢な夕食と同じ程度でしたからね。得られる樂しみと滿足感を考へたら安いものです。はい。

 

今日の寫眞・・今日の切り抜きと古本まつりの樣子。それに、埼玉縣本庄市児玉町にある塙保己一記念館にて(二〇一〇年三月五日)と、渋谷區にある塙保己一史料館を訪ね、群書類從の版木倉庫にて寫した記念寫眞(二〇一〇年十月十六日)。

 



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