十月卅一日(土)庚辰(舊九月十九日 曇りのち晴、夕方冷える

 

朝寝坊してしまひました。昨日、『北國街道を往く(二)』に精力を注ぎ込んだので、その疲れだと思ひます。けれども、じつとしてはゐられません。神田古本まつりは明日までなんです。それに月もかはりますし、神無月最後の日に、ちよいとけじめをつけるためにも行つておかなければなりません。はい。

それで、行つてきました。多くを買ひ求めるほど餘裕はありませんが、八木書店の二階では、ぼくを待つてゐたかのやうに、針原孝之著『越路の家持』(新典社。これ一〇〇圓)と、高岡市万葉歴史館論集『越の万葉集』(笠間書院。これは五〇〇圓)。この二册は、現在執筆中の『北國街道を往く(二)』に役立つことは確實です。少なくとも間違ひを書かないためにも參考にしたいと思ひます。

その他の所では、義仲寺にお墓のあつた保田與重郎著『日本の橋』(講談社学術文庫)。中を見たら、この後半は、「木曾冠者」なんです。つまり、ご存知木曾義仲について、といふより、これは與重郎さんの「平家物語論」らしいのですけれど、倶利伽羅峠の合戰のこともありますし、これも參考にしたいと思ひます。ただ、保田與重郎は、戰後公職追放された經緯があり、その彼が言ふ日本古典美の高揚とか、「反近代主義・日本回歸」とかがはたしてどんなものか、それをたしかめもせずに參考にして、調子がいいと言はれてもいい氣持ちはしませんので、氣をつけながら讀み進んでいくつもりです。

 

今日の讀書・・半村良著『講談 大久保長安(上)』(光文社文庫)讀了。ちやうど、關ヶ原合戰の眞つ最中です。

 

今日の寫眞・・今日の切り抜き。新しい呼びかけがはじまりました。

 それと、今日の神保町。「イベントマップ」によれば、靖國通り沿ひが〈神田古本まつり〉で、すずらん通りのは〈神保町ブックフェスティバル〉と呼んでゐるらしい。はじめて知りました。

そのすずらん通りでの開催は、今日と明日の二日だけで、大手出版社が「わけあり」の新本を安く販賣します。以前ぼくはそこで、『東山道の実証的研究』なる高價な本を破格値で入手したことがあります。でも、今日は、新典社のワゴンで、『影印本 百人一首大成』と『お伽草子一』などを見つけるだけにとどまりました。

一方、靖國通りは日が落ちても人通りが絶えませんでしたね。南海堂書店さんには「大日本史料」購入に際してだいぶお世話になつたので、ここに寫眞を載せておきたいと思ひます。

 


コメント: 0