正月廿日(水)辛丑(舊十二月十一日 晴、風が強く寒い

 

筆ペンのスペアーインキを買ひに、銀座伊東屋に行きました。改装以後、面白味のなくなつた店ですので、足は遠のいてゐたんですが、いざとなれば賴るしかありません。必要なものだけを買ひ求めて、すぐ敎文館に向かつたところ、松屋で〈古書の市〉が開かれてゐることを知り、すぐに八階催事場へ向かひました。さう言へば前にも來たことがありました。和本が多く出品されてゐるんです。 

それで、けつこう手間がかかるのですが、あちこちのワゴンに積み上げられた和本を見ていきました。すると、なんと、『説經さんせう太夫』 があつたのであります。「天下一説經佐渡七太夫正本」で、「明暦二年(一六五六年)丙申歳六月 さうしや九兵衞板」とあります。が、昭和七年に發行された複製でありました。それでも奥付に「印行五百部之内 第一四六號」との印が押されてゐますから、多少は希少本といつていいのではないでせうか。二千圓で、古書といつてもいつも破格の古本しか手に取らないのに、今日は惱んだ末に求めてしまひました。 

そのため、すでに一時を回つてゐたので、敎文館はやめにして天龍にまゐりました。が、なんと店舗移轉のため三月まで休業! 年末年始に數日お休みするだけで、はづれたことがなかつたのにがつかり、する前に、先日妻と行つたスカイツリー店を思ひ出し、そこから京橋の交差點を經て都營淺草線寶町驛に行き、押上まで直行。幸ひ、今日は空いてゐて、といふよりすでに二時を回つてゐたからでせうが、美味しく食べることができました。しかも、最近クリアしてゐなかつた完食をはたし、すぐに妻に報告いたしました。 

ところが、歸宅後晝寢をし、起きると夕食。それで滿腹感が去らず、結局デザートのいちごしか食べられずで、妻と母からだいぶ嫌味を言はれてしまひました。 

 

今日の寫眞・・閉店した銀座の天龍とスカイツリー店の餃子ライス。堀切驛近くの、日本舞踊とともに、長唄・小唄を敎へてゐるところを再發見。いつも通りがけに見てゐながら素通りしてゐたんですが、夏目房之介著『古典教養そこつ講座』を讀んでゐて再認識させられたので、寫眞に納めてみました。 

それと、『説經さんせう太夫』を含む今日の掘り出し物。そして新聞切り抜き。昨夜のことがちよいと載つてゐました。

 



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