二月八日(月)庚申(舊正月月朔日日・朔 晴

 

月曜日ですから弓道場へ行きました。週二のお稽古もだいぶ軌道にのつてまゐりまして、今日などは、今までで最高の的中率だつたのではないかと思ひます。といつてもたいしたものではありませんが。 

あとは、讀書三昧。東直己の『誇りあれ』(双葉文庫)を讀み上げ、小松英雄先生のご本を繼續して精讀。先生によれば、現在出版されてゐる『古今和歌集』の注釋書なるものはほんとにいいかげんのやうです。本論7です。 

「あまのかわあさせしらなみたとりつゝわたりはてねはあけそしにける」(秋上・一七七)について、「和歌表現の感覚を多少とも身につけていれば、『浅瀬しらなみたどりつつ』とは、浅瀬を知らないので白波の立っている所をたどりたどり、という表現であると理屈抜きに理解するはずである。・・・ところが、ここに古典文法が介入すると事情は一変し、日本語話者の直覚に基づく理屈抜きの理解が否定されて、問題がにわかに難しくなる」、と言つてその實例を事細かにあげ、さらに結論のやうにして述べてゐます。 

「日本語の自然な表現があり、それを古典文法が合理的に説明できないとしたら、古典文法を手直しするのが当然であるのに、既成の文法規則を優先させて、日本語話者の自然な感覚に基づいた表現解析の可能性を取り下げたり否定したりするとしたら、言語運用の本質をわきまえていないことを自認するにひとしい」。 

まあ、そのことをあげつらふために書いてゐるわけではないでせうが、小松先生の一つ一つの和歌の解析作業を通じて、少なくともぼくはよく分かりますし、納得ですね。ますます『古今和歌集』に親しみを覺えてきました。 

 

今日の讀書・・東直己著『誇りあれ』(双葉文庫)讀了。小松英雄著『みそひと文字の抒情詩~古今和歌集の和歌表現を解きほぐす』(笠間書院)さらに繼讀中。 

 

今日の寫眞・・葛飾區總合スポーツセンター體育館ロビーの「めだま」二種。先住ノラである寅ちやんの背後から、お殘りをねらつてゐるモモちやん。なにせ。寅は、ラムを知つてゐる唯一のノラなのであります。それと、今日の切り抜き。