三月廿二日(火)癸卯(舊二月十四日 くもりのち晴

 

『歴史紀行六十 國會議事堂紀行』を書き終へたので、今日は、途中でお休みしてゐた、小松英雄先生の『伊勢物語の表現を掘り起こす』(笠間書院)を讀み上げてしまひました。小松先生の著書はこれで六册目になりますが、まだ、『いろはうた』と、『平安古筆を讀み解く』と、『徒然草抜書』と、『日本語の歴史』と、『日本語はなぜ変化するか』、それに大著の、『日本語書記史原論』が手元にあります。今まではづれはありませんでしたから、すべて讀み通そうと思ひます。ただ勉強になるだけでなく、古典をどう讀んだらよいのかがとてもよくわかつてきました。 

 

さう、昨晩は、池波正太郎著『江戸古地圖散歩 回想の下町』を一氣に讀んでしまひました。それで、以前讀み通しましたが、改めて、『剣客商売』と『仕掛人・藤枝梅安』を讀んでみたくなりました。池波先生も次のやうに、大變怒つてゐるのに、ぼくは共感したからでもあります。

 

「日本の大都市の中で東京ほど、他国の政治家や実業家に喰い荒された都市はあるまい。それが日本の、東京の近代化であるというなら、何をかいわんやだが、日本橋の頭に高速道路を架けわたすにいたっては、さすがの私も呆然とした」 

「大川は、『川とも道路ともつかぬ・・・・・』姿をよこたえている。護岸工事の完成によつて、大川の景色は抹殺された。 

江戸や東京の成りたちも風土も知らぬ、一部の出稼ぎの政治家や事業家、または無能な役人たちが、血眼になって、一つ一つ、江戸文化の遺産を喰いつぶしてゆくのである。 

ことに、大川の西岸一帯の破壞は凄まじい」 

 

今日のピクニック・・夕食後、妻と久しぶりに歩きました。今晩は滿月だからさ、行こうよと言はれてその氣になつたのですが、ほんとうは明日が滿月なのをぼくは知つてゐました。でもね、せつかくのお誘ひですから出かけてまゐりました。といつても、いつものお花茶屋までの往復、古本屋とTSUTAYAをのぞいてきました。また、いろいろとおしやべりができたので樂しかつたです。はい。 

 

今日の讀書・・池波正太郎著『江戸古地圖散歩 回想の下町』(平凡社カラー新書)、昨夜おそく讀了。また、小松英雄先生の『伊勢物語の表現を掘り起こす』(笠間書院)も讀み終へました。 

それと、田山花袋の『東京の三十年』を讀みはじめましたが、ついでに、本棚で目にとまつた、塩見鮮一郎著『彈左衞門とその時代』(河出文庫)を開いたら、まあすごい。こんな世界が江戸にあつたのだといふことに、大袈裟でなく衝撃を受けました。 

 

今日の寫眞・・田山花袋著『東京の三十年』と塩見鮮一郎著『彈左衞門とその時代』。それにお花茶屋の古本屋で見つけた東京散歩關連本。

 


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