三月廿六日(土)丁未(舊二月十八日 晴

 

今朝は、五時五〇分にアラームの振動で起こされ、澁い目をしよぼしよぼさせながら準備して、妻に送られて綾瀨驛にまゐりました。 

今日は、先週の雨で延期になつてゐた、「渡良瀬遊水地ヨシ焼き」が行はれる日であります。北千住驛で東武鐵道に乘り換へ、藤岡といふ驛をめざします。六時三一分發、會津田島行きの快速に乘ることができましたが、車内は山歩きにでも出かけるのでせうか、例のごとく、ご婦人方があつちこつちに群れをなしてお喋りに興じてをられました。 

快速といつてもばかにできませんでした。まるで特急なみです。北千住の次は春日部、東武動物公園、そしてはじめて聞く、板倉東洋大前驛で下車し、各驛停車に乘り換へて、藤岡驛で、川野さんと川野さんのお友だちの蓮見さんを待ちました。

 

板倉東洋大前驛は、地圖を見ると、渡良瀨遊水池、といふか、舊谷中村に一番近い驛であり、いづれまた訪ねなければならないなと思ひながら、後續の電車を待ちました。それで、ふと、ホームに吊り下げられた驛名を見ると、そこに、〈群馬県板倉町〉と書かれてあつたので、あれれと思ひました。でも、よく考へてみると、あの空を飛ぶ鶴のやうな形をした群馬縣のその頭といふか、くちばしのとがつた部分が板倉町のやうなんですね。だから、その前の柳生驛は埼玉縣、藤岡驛は栃木縣、さらにちよいと東には茨城縣と、四つの縣が隣接する興味深い地域なのでありました。いや、思ふに、渡良瀨遊水池をお互ひに敬遠したのではないかと思はせられる配置になつてをりますですね、これは。 

また、利根川を渡る鐵橋からは筑波山が、驛の高架部分からは、雪をいただいた日光の山々も見渡せました。すでに氣分は旅人でありました。 

 

「平成28年 渡良瀬遊水地ヨシ焼きのお知らせ 

渡良瀬遊水地のヨシ焼きは、豊かな自然を守り、未来に伝えるために大切な役割を担っています。当日及び実施後当分の間は、風向きや上昇気流により灰や煙が飛散し、洗濯物への付着、庭や屋根への降灰等の可能性がありますので、洗濯物や窓の開閉には十分ご注意願います。皆様にはご迷惑をお掛けすることがございますが、ヨシ焼きの必要性をご理解頂き、ご協力いただけますようよろしくお願いいたします。 渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会」 

 

案内にはこのやうに記されてをりました。「灰や煙が飛散し、洗濯物への付着、庭や屋根への降灰等の可能性があります」、と斷りを書きつつも、毎年實施されてゐることにぼくはえらく感心してしまひました。まあ、周邊はそれほど密集した住宅街ではないので可能なんでせう。 

さて、川野さんたちは、次の電車で到着、初對面の蓮見さんを紹介され、さつそく會場、ではない、遊水池をめざして歩きました。(つづく) 

 

今日の寫眞・・渡良瀬遊水地ヨシ焼き」(その一)。立體寫眞は、板倉東洋大前驛からながめた日光の山々です。

 




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