五月廿六日(木)戊申(舊四月廿日 晴

 

今日の讀書・・母が、妹に伴はれて信州佐久の弟の家に遊びに行つたので、久しぶりに妻とともに外出をしました。泊まりなので、今日と明日の夕方までの貴重な休日です。

でも、妻とぼくとは出かけたいところが根本的に違ひます。が、今日は、日本橋のデパートに買ひものと食事をしに一緒に家を出ることができました。 

もちろん、出かけるに際して忘れてはならないのが、讀む本です。妻は妻で文庫本を用意してゐますし、ぼくはといふと、いつもの樣に、ちよいと目についた新書本を手にとりました。『妙好人』といふ、薄つぺらな本でした。 

本願寺出版協會から出された、五十圓で手に入れた古本ですが、それが意外と面白くて、電車の中はもちろん、食事が運ばれてくるまでのわづかの間も讀み進ました。それと、妻との會話もなさねばならず、けつこういそがしい外出でした。 

それで、しばらく凍結させてゐた「妙好人」への感心がまたわきあがつてきてしまひ、歸宅後、その關係本のすべてを出してきて、讀む順番などを考へたりしてペラペラと、まあ、これが樂しいひとときでした。 

 

今日の《平和の俳句》・・「古来稀(まれ)とはこの国の平和かも」(八十三歳男) 

〈金子兜太〉このぶっきらぼうぶりが嬉しい。戦後七十年の平和を大事と見ているのだ。 

〈いとうせいこう〉この「かも」に万葉集の詠嘆を感じれば、この一句の深みがぐんと出る。 

 

今日の寫眞・・今日の新聞切り抜き。「妙好人」關係の、現在手に入れた和本の原文と參考書の數々。これはぼくの生涯の研究テーマのひとつです。