六月五日(日)戊午(舊五月朔日・芒種 曇りのち晴

 

今日は、《6・5全国総がかり大行動》、妻とともに國會前の會場に出かけ、參加してまゐりました。參加者の熱意、昨年九月十九日以來少しも衰えてゐません。力強く思ひました。 

けれど、出がけに、いやなことをネットの記事で知り、今後、この國はどうなつてしまふのだらうかと不安になりました。今日の集會にしても、右翼といつたらいいのかどうかその正體はわかりませんが、「國體護持」などと書いた看板を掲げた車兩がたくさん集まつて來て、不穏な空氣が支配してゐました。スピーカーからは品のないわけのわからない怒鳴り聲が響き渡り、集會を妨害しようとしたに違ひありません。

 

その記事といふのは、書いてゐるのは魚住昭さん、もちろん信賴できる方です。ただ、省略したところ多々でありまして。以下、箇条書きのやうになりました。 

 

安倍政権の〈黒幕〉!?  二〇一五年七月十二日(日) 魚住昭 

日本最大の右派団体「日本会議」と安倍政権のただならぬ関係なんと閣僚の八割が所属、みんな、そこでつながっている。 

慶応大名誉教授の小林節さん(憲法学)は、「日本会議」のメンバーについて・・・

「彼らに共通する思いは、第二次大戦での敗戦を受け入れがたい、だからその前の日本に戻したいということ。日本が明治憲法下で軍事五大国だったときのように、米国とともに世界に進軍したいという思いの人が集まっている。よく見ると、明治憲法下でエスタブリッシュメントだった人の子孫が多い。そう考えると理解できるでしょ。」 

ちなみに、集団的自衛権行使を合憲としている憲法学者が三人いて、彼らはみんな、日本会議に属している。 

もし小林名誉教授が言うように、日本会議に属する人たちの「共通する思い」が、七〇年前の敗戦を受け入れがたく、明治憲法下の「日本に戻したい」ということだとするなら、現閣僚の大半が戦前の大日本帝国の再来を望んでいることになる。

 

まさか、そこまで非常識な政治家はいないはず。と思われる読者も多いだろうから、日本会議とはそもそもどんな団体かということについて語りたい。(省略) 

日本会議の特色は何と言っても、そのネットワークの全国的広がりと構成メンバーの多彩さにある。(省略) 

では、その日本会議が目指すものは何か。HPには〈私たちは、美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する民間団体です。一二五代という悠久の歴史を重ねられる連綿とした皇室のご存在は、世界に類例をみないわが国の誇るべき宝〉であり〈皇室を中心に、同じ歴史、文化、伝統を共有しているという歴史認識こそが、(中略)国の力を大きくする原動力になると信じています〉 

言っちゃ悪いが、これはアナクロニズム(時代錯誤)だ。国民の大多数は戦前の天皇制の復活なんか望んでいない。にもかかわらず、日本会議が国会議員の四割弱と閣僚の八割を占める勢力になったのは、なぜか。

 

ここが思案のしどころだ。こんな異様な現象は一朝一夕には起こらない。相当な時間と労力と金をかけた、何らかの仕掛けがなくてはならない。 

ちなみに私が日本会議に注目しだしたのは一〇年ほど前のことだ。従軍慰安婦、国旗・国歌法、教科書検定、外国人地方参政権、教育基本法や憲法の改正などの問題を取材すると、必ずと言っていいほど、背後に日本会議の勢力が蠢いていた。 

どうやら日本の右傾化を演出しているのは日本会議らしい。誰がどんな経緯でこの組織を作ったのか。それを調べていくと奇妙な事実に突き当たった。 

日本会議を仕切る事務総長や関連団体の責任者、安倍首相の側近議員、学者などの経歴に意外な共通点があった。 

彼らは青年時代、ある教団の信者だった。その教団の創始者は熱烈な天皇主義者で「敗戦した日本などない」と唱えた。敗れたのは「偽の日本」で、天皇中心の真の日本ではない。我々の使命は明治憲法を復元することだ。その言葉が青年らの心を捉えた。日本会議の歴史はそこから始まる。(『週刊現代』二〇一五年七月一一日号より) 

*参考書:菅野完著『日本会議の研究』(扶桑社新書)。本書の内容は書名通り、安倍政権の“黒幕”と噂される右派団体・日本会議とは何かという疑問にわかりやすく応えている。 

 

今日の《平和の俳句》・・「たんぽぽや土着の者よ生き延びよ」(五十七歳)男 

〈金子兜太〉 西洋たんぽぽより、まず日本たんぽぽをと思い込んでいる造園業の作者は、集団的自衛権にすぐ乗せられない、気骨純粋の仁(じん)。 

 

今日の寫眞・・今日の、《6・5全国総がかり大行動》の一部始終。