六月九日(木)壬戌(舊五月五日 小雨のちくもり

 

今日の讀書・・今日も橫になつて讀書。『大和物語』を讀み進みました。一五九段から一六八段まで。全部で一七三段ですから、あと一息といつたところです。三月廿九日から讀みはじめたので、二ヶ月以上かかつてゐることになります。 

まあ、研究するわけではないので、こんな調子で、くづし字の勉強をかねて、これからも「古典文學」の寫本や影印の原書を讀んでいけたらいいと思ひます。 

ところで、今日讀んだ一六〇段から一六六段には、『伊勢物語』の主人公といはれる、在原業平が登場します。色好みの「在中将」です。といつて、『伊勢物語』と同じことが語られてゐるわけではないので、それらを題材として研究する書物がたくさん出てゐるのでありますね。 

ぼくの手元には、二百圓で求めた、『大和物語・平中物語探求』といふ册子があります。二松學舍大学雨海研究室が出してゐる論文集で、非賣品です。古本として出されたから見つけられたのですが、論題を見ればわかるやうに、重箱の隅をつつつくやうな研究といふか、お勉強をしてゐる方々がをられることを、改めて認識させられました。 

參考のために、その所収論文の題を竝べてみませう。 

「『芦苅』考」、「歌語りと歌物語」、「良峯宗貞出家譚について」(これは、今讀みかけの一六八段と一七三段についてです。ちなみに、良峯宗貞とは、六歌仙・三十六歌仙の一人の遍昭さんのことですね)、「『大和物語』一六〇段の考察─染殿内侍について」、「『檜垣嫗』考─『大和物語』一二六段を中心に」、そして、「物語の登場人物と作者─『大和物語』一四九段と『伊勢物語』二三段を中心に─」、といふやうに、學生時代に惱んだ卒業論文のことなどを、ちよいと思ひ出してしまひました。 

 

今日の《平和の俳句》・・「つくし摘む孫の背中に花ふぶき」(六十七歳女) 

〈金子兜太〉 平和をこころから味わうとはこのこと。優しく楽しく、美しく。 

〈中江有里〉 一緒に散歩している祖母の目に映る、何よりおだやかな幸せの図。 

 

今日の寫眞・・ラムと入れ替はるやうにして、ノラねこたちがやつてくるやうになりました。その思ひ出寫眞を整理したので、何枚かピックアップしてみました。

寅ちやんには可哀想なことをしてしまひました。四枚目が、屋根で憩ふ寅です。外で自由にさせておけばよかつたです。もう、逃げてから姿を現しません。反省!