七月十七日(日)庚子(舊六月十四日 曇天

 

午前中、舊葛西橋のナカヤさんまで行つてきました。先日預かつた、ナカヤさんご夫婦の結婚式アルバムをお返しにうかがつたのであります。 

借りたアルバムは、ぼくの父が寫したものだつたので、それをデジタル化してさしあげたのでした。といつても、やつてくれたのは弟で、あまりおそくならないうちに、どうにかお屆けることができました。 

行き歸りは、妻の運轉で、荒川右岸沿ひの信號機のほとんど無い道路だつたので、一時間もかからないで歸宅できました。

 

いや、歸途、新小岩の動物病院に寄り道してきたので、もう少しかかりましたが、日曜日といふこともあつて、とてもスムースでした。 

で、その、アリス新小岩動物病院といふのですが、葛飾區から助成金をいただいてノラの不妊手術をしてくれる病院だといふので、探し探し訪ねたのでした。龜有にあるクローバー動物病院は、近いけれども足立區であり、その受付の女子の態度には妻がノイローゼになるくらゐまゐつてしまつてゐるので、新しいところが見つかつてほつとしました。同じ葛飾區なのにだいぶ遠いのが難ですが、分かりやすいので、今後利用させていただく豫定にしました。 

でも、どうして動物病院には、クローバーとか、アリスとか、モネとか、リオとか片假名文字が多いのでせう? 

 

今日の讀書・・ピエール・ルメートル著『天国でまた会おう』(ハヤカワ文庫)、昨夜讀了。讀書の師匠、服部さんのお薦めでしたが、ぼくには今一でした。それで、一氣にといふわけにはいきませんでした。 

舞臺は、第一次世界大戰末期とその直後のフランス。その邊の歴史に疎いといふこともあるでせうが、フランス、ドイツ等の戰死者の數の多いのには驚きました。そこで、戰場で死んだ兵士の死體をどのやうに處理・處置・處遇(?)したのか、實はそのことが主題といふかテーマの小説でした。 

「こいつはでかい市場だ。こと商売に関して言うなら、戦争には多くの利点がある。終わったあとあとまでも」。それがどういふ「利点」なのかが本書の内容です。で、本書は、〈訳者あとがき〉で述べられてゐるやうに、「戦争という国を挙げての愚行に対する批判と皮肉が満ちている」ものとなつてゐます。 

ただ、最後のところで、主人公の父親が、偶々ひき殺してしまつた人物が、彼の息子であることがどうして分かつたのか、そこのところが納得いきませんでした。 

 

今日の《平和の俳句》・・「リヤカーで遺体回収せし父の青春」(五十八歳女) 

〈いとうせいこう〉 昭和三年生まれのお父さんから、米国の砲撃でばらばらになった遺体を拾い集めたと聞いて育ったのだという。悲劇を忘れない俳句。 

 

今日の寫眞・・今日のモモタとココ。