九月廿四日(土)己酉(舊八月廿四日 曇天、一時雨

 

今日は氣分がよかつたので出かけました。天氣はいまいちでしたが、今日は特別の土曜日なのであります。それは、もちろん古本市のことで、それが今日に限つて、といつても毎月一度くらゐはあるのですが、三カ所同時に開催するのであります。神田の東京古書會館と高圓寺の西部古書會館と、五反田の南部古書會館の三カ所です。 

ですが、それに氣づいたのは晝近くになつてからでありまして、一瞬迷ひましたが出かけることにしたのです。

 

はじめは東京古書會館です。新御茶ノ水驛から歩いてすぐで、そこには一時間ほど。つづいてJRお茶の水驛から高圓寺驛。雨が降つてきましたが、折りたたみ傘を持參。西部古書會館も雨だといふのにけつこうな人出でした。そしてここでは思はぬ掘り出し物にめぐりあへました。送つてもらひましたので、到着が樂しみです。 

また、最後の南部古書會館へは閉店の五時ぎりぎりに入ることができたのですが、ここでも影印の珍しい本を入手することができました。『たかやなき』(古典資料研究会發行 古典資料9たかやなぎ)といふ、手に取つてみてはじめて知つた本です。 

その内容は、「『源氏物語』に範を取つた王朝物語であるが、一人の男性に二人の女性を配した性愛の社会構造に、脱王朝的な女性心理も見られ始めてゐるのがおもしろい。高柳の中納言が大宰大貳になつてゐるところへ、同時に、二人の北の方候補がやつて來る」、といふものです。 

五反田驛からは、都營淺草線で青砥驛經由で歸路につきました。歸宅後見ると、萬歩計は、七〇九〇歩でした。體調も惡くありません。 

 

今日の讀書・・昨夜、「大江戸定年組2」につづいて、耳袋秘帖」新シリーズ風野真知雄著 『耳袋秘帖 妖談うしろ猫』 (文春文庫)を讀了。『蜻蛉日記 中』 はお休み。といふより、輕いものが讀みたいこの頃です。 

 

今日の寫眞・・とある婦人の後ろ姿。