十月十二日(水)丁卯(舊九月十二日 晴

 

今日は心臟外科の通院日でした。前回は、ちやうど入院中に當たつてしまつたので、久しぶりの診察でしたが、ここのところだびたび通院してゐるのでそんな氣がいたしません。

といふか、ペースメーカーを入れてからといふもの、循環器内科のはうが主になつてゐて、しかも藥も循環器内科から出ますから、今や、心外は必要なくなつたといつてもいいやうなのであります。たしかに、次回は、來年の三月、エコー檢査を受ける日に受診すればいいことになりました。半年も間があいてしまひますが、お世話になつた先生です。忘れるやうなことはないと思ひます。 

ところが、午後にもう一つ、心外と同じ日に、〈糖尿病・代謝・内分泌科〉にもかかつてきました。甲状腺の「値」(FT3/4)といふのが、ちよいと基準範圍からはづれてゐたから診てもらふやうになつたのですが、症状はまつたく出ないし、もう何年も基準内ですし、何のために受診してゐるのかよくわからないのですが、ありがたいのは、コレステロールなどの値も同時にわかるので、健康管理にはとても役に立つてゐます。 

同じ水曜日の心外がなくなり、循環器内科とは曜日が違ふので、これからは、この科だけのために通院することになりました。まあ、外出は體力・氣力回復運動でもありますから、なんの問題もありません。なにせ、通院はぼくが公に神保町めぐりができる「公務」なのであります。 

 

ところで、出かけたついでに、今日は、神保町はわづかにして、早稻田通りの古本屋街に行き、五十嵐書店を訪ねました。先日の古書會館の古本市で見かけた本を、やはり入手したいと思つて電話で問ひ合はせたところ、お店のはうで取り置きしておくと言つてくださつたのです。それだけでもありがたかつたのですが、實際に訪ねて現物を見たら、なんと値段を引いてくださつてゐたんです。市ではたしか五千圓だつたのですが、千五百圓になつてゐたんです。ご主人とはもう顔なじみなもので、それで安くしてくださつたのでせう。ご家族でやつてゐるお店ですから、ぼくは、奧樣には聞こえないやうに聲を低くして、ご主人にお禮を言ひましたよ。もちろん。 

それは、『古鈔本 寶物集』(貴重古典籍叢刊8 角川書店) といふ、鎌倉時代初期に書かれた佛敎説話集の影印本です。先日求めた、『屋代本 平家物語』 と同じシリーズで、やはり枕にいいやうな厚さです。 

 

今日の寫眞・・神保町にある、「猫」に關する本の専門店です。古本屋街では、小さな新本屋さんは苦しいのでせう。最近になつてはじめたやうです。それと、五十嵐書店さんの外觀です。