十月廿八日(金)癸未(舊九月廿八日 曇りのち雨

 

今日の讀書・・今日から、神田古本まつりがはじまりました。十一月六日までの約一週間行はれますが、やはり初日に行かないのはファンとしてはまづいでせう。古書會館で、「特選古書即賣展」も開かれるので、朝一で出かけました。 

けれど、「特選古書即賣展」は名前が立派だけで、内容はつまらなくて、むしろ興ざめでした。和本も多く出品されてゐましたが、ただ高價で、面白味がないものばかりでした。やはり、普通の古本市のはうがいいやうです。それでも、どうにか、その中から、安永九年(一七八〇年)に出版された、『見聞獨歩行』といふ和本、一〇〇〇圓也を求め、さつさと會場をあとにしました。 

期待したいのは靖國通り沿ひの大古本露天市であります。が、生憎の雨となり、ほんのわづかの時間のぞいただけで歸路につきました。 

 

今日は、ひまがあれば、黒川さんの 『大博打』 を讀み進みました。往き歸りの電車のなかはもちろん、例の成光さんでチャーシューめんを待つあひだも、面白くて面白くて頁を閉じるのが惜しいくらゐでした。 

歸宅してからやつと、といふよりたうとう讀み終はつてしまひ、つづいて、以前一度讀んだけれども、「疫病神シリーズ」ものの二册目にあたるといふので、再び、『国境』 を讀みはじめました。まつたく覺えてゐなくて、はじめて讀む感じです。それにしても、こんなにも面白くていいのでせうか! 併讀してゐる他の讀書に差し支へがありさうで、心配です。 

 

今日の寫眞・・面白味のない「特選古書即賣展」と、雨にたたられた古本市。