十一月十八日(金)甲辰(舊十月十九日 晴

 

 今日の讀書・・『日本紀略』 がなかなか進みませんが、まあ、「穢」についてもでしたが、あれこれ調べたりしてゐれば仕方がありません。今日も、讀み進んだのは應和二年(九六二年)の一年分だけでした。そのかはり、ちよいと意識して、昨日問題にした、鎭護國家佛敎として、宮中で行はれた重要な佛敎儀式を書き出してみました。しかし宮中だけでなく比叡山などでも行はれたやうなのであります。ただし、八月卅日は大暴風雨の被害状況です。

 

三月十六日癸酉、季御讀經(きのみどきやう)始。 十九日丙子、同竟。 

廿五日壬午、仁王會。 

四月八日乙未、灌佛。 

五月十七日癸酉、遣石清水及十一箇社。度僧各一人。便奉佛舍利。今日、・・・於仁壽殿、令權僧正-寬空修不動法。限七箇日竟之。為息災也。 

廿六日壬午、請百口僧於大極殿、令讀經。以此殿頻示恠異也。 

六月十八日甲辰、請口僧於清涼殿、令轉讀仁王經。為消物怪也。 

廿七日癸丑、令權僧正-寬空、於真言院、供火天。 

七月三日戊午、始自今日、百箇日、於叡山中堂、令轉讀大般若經。今日、右大臣顯忠、於極樂寺、修蓮華會。 

廿日乙亥、・・・是日、令權僧正-寬空、修孔雀經法、限七日。 

八月十七日壬寅、季御讀經。 

卅日乙卯、・・・今日、大風雨、大和、近江等國官舍、及神社、佛寺損壞。東大寺-扉三間、力士大門等。興福寺-維摩堂一宇、幢一基。新藥師寺-七佛藥師堂二宇、并數宇雜舍、酉大寺-食堂一宇、調寺-講堂一宇。及自餘諸寺、并人宅等、多以顛倒。京中無殊愁。 

十二月十九日癸卯、御佛名始。 廿一日乙巳、同竟。 

廿九日癸丑、令權僧正-寬空、於真言院、供火天。 

 

ついでに言へば、この年、九月には、「第十五回 内宮式年遷宮」が行はれてゐるんですね。そのための準備の模樣でせうか。 

 

九月六日辛酉、於建禮門、大祓。以明日可發遣伊勢大神宮御裝束神寶使也。 

七日壬戌、依伊勢大神宮遷宮。奉神寶等。廿年一度。 

 

今日はまた、黒川さんの、『落英 下』(幻冬舎文庫) を讀み上げ、これで、『後妻業』 などの數冊をのぞいて、最近の作品はほぼ讀み終へましたので、これからは、飯嶋和一さんの作品を讀んでいきたいと思ひます。そもそも、飯嶋さんは寡作でありまして、昨日あげた七册がすべてのやうなのであります。それで、著作年代順に讀んでいくことにします。 

まづは、今日屆きました、『汝ふたたび故郷へ帰れず』(小学館文庫) からです。

 

今日の寫眞・・黒川博行著 『落英 上下』(幻冬舎文庫) と、よく寝てよく食べるモモタくん。