十二月二日(金)戊午(舊十一月四日 晴

 

今日も古本散歩といふことで、運動がてら、三か所で開催中の古本市をめぐり歩いてきました。外出の際は、い本にしてゐますので、古い雜誌の 「文学」(一九七九年一月号《将門記》) と 唐木順三著『あづまみちのく』 を持つて出かけました。 

まづは、神田の東京古書會館、つづいて、高圓寺の西部古書會館。そして、所澤驛前のくすのきホールで年に四回行はれる 「彩の国所沢古本まつり」 です。とくに、くすのきホールの會場は廣く、ロビーの休憩所で休み休み回らないと足腰が痛くなるくらゐなのであります。それで、まあまあの収穫がありました。 

御茶ノ水驛から高圓寺驛までは直通ですけれど、高圓寺驛から所澤までがくせものでした。國分寺驛まではいいとして、そこを始發とする西武線が複雑怪奇! といふほどのこともありませんが、國分寺駅から四驛目の東村山驛で乘り換へ、そこで西武新宿驛から來た電車に乘つて一つ目が所沢驛でした。 

さういへば、東村山驛からは西武園驛行が出てゐるのでした。子どもの頃、家族で西武園に行つたときでしたが、乘り換へ乘り換へで迷子になり、家族一同途方に暮れたことを思ひ出しました。 

所澤へは、いつも池袋驛から行き來してしまふので、今日は夕食を食べてから、東村山驛で再び乘り換へて國分寺驛にもどり、中央線・總武線で新小岩驛まで歸つてきました。 

 

今日の讀書・・「軍記物語の原像」(「「文学」(一九七九年一月号《将門記》所収)は、永積安明・梶原正昭・横井清三氏の對談でした。『門記』 について、作者はだれか、いつ書かれたか、また何故書かれたのかなどの問題について知ることができました。 

しかし、みなはつきりとはせず、消化不良をおこしかけてゐたところに、ちやうどよく、唐木順三著「門記秘抄」(『あづまみちのく』所収) を讀みました。今までも門について讀んできましたが、唐木さんのは、『門記』を書いた人物が主人公といふ筋で話が進められていくのです。いやあ、ぼくは納得できましたね。 

當時の中央政府朝廷の自堕落さと、それに群がる野心家に對して、門がいかに純粋で、野望などとは程遠い存在であつたか、そして、そのやうな門を利用しようとした奥世王や玄明らにあやつられてしまふ、人のいい門であつたかなど、ふに落ちること多々でした。 

 

歸宅すると、川野さんから、「坂東市 観光ガイドマップ」をはじめ、「将門史跡めぐりウオーキングマップ」、「将門まつり」などのパンフレットが届いてゐました。「将門まつり」は十一月第二日曜日ですから、すでに終はつたあとですが、史跡マップは貴重です。すぐにでも「将門紀行」の計畫が立てられさうです。感謝。 

 

今日の寫眞・・「文学」(一九七九年一月号《将門記》・岩波書店)と唐木順三著『あづまみちのく』(中公文庫)。くすのきホールの會場。「坂東市 観光ガイドマップ」等。それと、懐かしい西武園。