正月四日(水)辛卯(舊十二月七日 晴

 

今日の讀書・・今日は一日中、『伊勢物語』 に集中いたしました。ただ、途中で、昨年讀んだ、小松英雄著 『伊勢物語の表現を掘り起こす』 のイントロダクションを讀みかへしまして、古典文學作品の讀み方を再確認いたしました。 

小松英雄先生のご本は、昨年は、七册讀みました。それも短期間に集中して讀んだものですから、たぶん無意識に深く影響されたと思ひます。 

さらに、『平安古筆を読み解く 散らし書きの再発見』(二玄社) と 『徒然草抜書』(講談社学術文庫) と 『日本語書記史原論』(笠間書院) を讀まなければなりません。先生の主題は、假名文學をどのやうに讀むかですから、ぼくのこれからの讀書計畫には船頭になつてもらはなくてはなりません。 

 

『伊勢物語』 は、文庫本の「傳一條兼良自筆本」を主に、異なる三册の筆をくらべながら讀んでゐます。分からない文字が出てきても、いきなり翻刻された現代文字を見ないで、他の筆とくらべるのが、リテラシー向上には不可缺だと思ひます。夕方までに第三十四段まで讀みました。今日中に、第五十段までいきたいですね。 

 

それと、今日あたりから、神保町もそろそろ動き出すと思ふのですが、西秋書店さんにネットで、取り置きをお願ひしました。週末にうかがふ豫定だからです。 

お願ひした本は、『浚明本 とりかへばや』(むさし書房) です。「内閣文庫所蔵東山人芳麿筆本 翻刻+付録(解題・考察・他)」といふので、たぶん影印本+翻刻だと思ふのですが、翻刻だけなんでせうか? 

 

今日の寫眞・・今日も讀み進んだ 『伊勢物語』 と、小松英雄著 『伊勢物語の表現を掘り起こす』(笠間書院)。『伊勢物語』は、左から、御所本『伊勢物語』(宮内庁書陵部藏 冷泉爲和筆・笠間書院)。つづいて、天福本『伊勢物語』(藤原定家筆と傳へられる、学習院大學所藏〈三條西家舊藏〉天福本系統の古鈔本・武蔵野書院)。三册目は、傳一條兼良自筆『伊勢物語』。日本古典全集の文庫本で、ぼくがもつぱら愛讀してゐる本です。すべて、冒頭の第一段です。 

ベランダで食事中の寅と、ココ。