正月五日(木)壬辰(舊十二月八日・小寒 晴

 

昨夜、『將門紀行』四部作を讀んでくださつた、《史策會・東山會》 でご一緒の森さんから次のやうなメールをいただきました。 

 

ところで、将門紀行有難うございました。A4で、合計六十六頁になりました。今日読み終えました。 

さて、将門とは全く違いますが、私の友人で、市川の菅野生まれの者がいました。三年ほど前逝去しましたが、彼の自慢は、学校が休みのある時の昼間、近くの銭湯に行ったとき、洗い場で、永井荷風と一緒になって、ふと見たら、荷風の腕に 「こう命」 という刺青があるのを見たというのでした。また、幸田露伴の葬式の時も白旗神社へ見に行ったと言う事でした。 

彼の家に遊びに行ったとき、知らずの杜を見て、大黒屋で荷風セットを食べたことなどを思い出しました。もうだいぶ前ですが、荷風セットはまた食べたいですね。 

 

かうですよ。持つべきものは旅友ですね。貴重な情報です。できればご友人に直接お話をうかがひたかつたですね。また、「こう命」 という刺靑については、曰くがあるんです。ちよいと調べてみませう。 

《東山會》で、八幡・菅野・眞間・國府臺あたりを歩き、そして、矢切の渡しで柴又へぬけるのも面白いかと思ひました。 

 

今日の讀書・・今日も一日中、『伊勢物語』 に集中いたしました。夕べは、結局、第四十三段までしか讀めませんでした。そこで、今日は場所を文机に移し、姿勢も正し、間違へやすい「か」と「う」、「う」と「そ」、「な」と「る」、「あ」と「め」等に歯噛みしながらも、どうにか讀み進めることができました。今夜中に、第七十段か、もう少し進めたらいいのですが。 

さう、今朝の新聞に、ユーチューブで、「くずし字を解読しましょう!」 といふ學習を公開してゐるのを知り、すぐに開いてみました。それが、ちやうど、『伊勢物語』なんです。第一段から讀んでいけます。くづし字の文字を一字一字解説しながらの學習ですから、興味のある人にはうつてつけですね。 

でも、ぼくはぼくの讀む速度といふものがありますから、正直、まどろしくて見てゐられませんでした。復習のためにはいいかも知れません。 

それと、くづし字は、寫した人のクセがあり、同じ『伊勢物語』でも、讀みやすかつたり難しかつたりします。文庫本の、傳一條兼良自筆 『伊勢物語』 は、三種のなかで、實は一番クセがあるのです。だからこそ、他の二種が生きてくるのでありませうね。 

さうさう、明日は新年初の 「古本散歩」 です。どんな本と出會へるかと思ふと、今から胸がわくわくします。 

 

今日の寫眞・・朝刊の切り抜き、「くずし字を解読しましょう!」。