正月廿日(金)丁未(舊十二月廿三日・下弦) 曇天のち雨、一時風花が舞ふ
今日の讀書・・今日もまた寒い。金曜日恆例の「古本漫歩」は明日にして、終日、『一條攝政御集』 を讀みました。だいぶ讀みすすみましたが、まあ、物語を讀むでもなく、和歌を鑑賞するでもなく、とにかく讀み進みました。くづし字のお勉強も、こうなると忍耐と努力、といふか、ただ根氣よく讀むしかありません。
例へば・・・
「人のもとよりあかつきにとくとくといそがされいでたまて
〈とりのねにいそぎいでにしつきかげののこりおほくてあけしそらかな〉」
その口語訳・・・
「女のところから、暁に、早く早くとせきたてられておでましになって
〈鶏の鳴声にあわてて出てしまったものの、月の光も残っているし心残りの多いままで明けた空だなあ〉」
また・・・
「〈わかれてはきのふけふこそへだてつれちよしもへたるここちのみする〉
別れて帰つてから昨日と今日とあわなかっただけだけれど、千夜もたった気持ちがする」
とまあ、氣持ちは分かりますけれども、こんな斷片が次々と長々とつづくわけですから、くづし字のお勉強でなければ放り出したくもなります。でも、殘りあと三分の一。
今日の寫眞・・妻のお氣に入り、ノラのたまちやん。ベランダにデヴュー。
ますやの鍋焼きうどんとその商標(?)。くづし字が使はれてゐますね!
それと、今日屆いた 『なぐさみ草 上』(日本古典文学影印叢刊)。これは、慶安五年(一六五二年)刊行の 『徒然草』 の注釋書でありまして、下巻はすでに入手濟み。ほんとは、古本市で「捜索」すべきでしたが、なかなか見つからず、今回は掟を破つてしまひました。