二月七日(火)乙丑(舊正月十一日 晴

 

今朝、楓さんの書を撮影するために、再び上野の東京都美術館へ行こうとしたところ、妻が、國立科學博物館で開催中の 「ラスコー展」 を見に行きたいと言ふのです。それで、お晝も一緒に食べようといふので、ぼくとしてはまつたく異存はありませんので即決して出かけました。 

まあ、今日は、母の晝の食事を氣にしなくてもよかつたからで、まづ、ラスコー展に入りました。まだ人出も少なくて、展示物をゆつくり見學することができました。たしかにすごかつたのですが、實物は小さなランプや石器程度で、壁畫の本物を持つてこれたわけではなく、いかに臨場感を演出するかが目立つてゐました。

 

興味はありますけれども、歴史を學ぶ時代ではないなと思ひました。クロマニョン人の生活の仕方や、壁畫の描き方や、ランプや石器の作り方や、トナカイの角から針や槍の穂先の作り方を知つたり學ぶことは面白いけれども、それだけのもので、ぼくがまだ伊豆で工房生活をつづけてゐたら、たしかに役に立つたでせうけどね。 

それで、修学旅行の生徒でにぎはひはじめたミュージアムショップで繪はがきとフィールドノートを買つてから、美術館に向かひました。

 

書海社展では、今日は、先日うまく撮れなかつた楓さんの書の寫眞を撮り直すのが目的でしたから、すぐに終了。つづいて、妻の提案で、文化會館内にある精養軒に入り、ぼくはハヤシライスをいただきました。けれども、妻が注文したお肉がかたくてかたくてだいぶ不機嫌になり、ぼくのなけなしのハヤシライスを少し分けてあげました。 

氣がかりな妻とは、上野驛で別れて別行動。ぼくは、池袋の西武百貨店別館で今日からはじまつた、古本まつりに出かけたのでした。

 

けつこう大きな古本まつりで、コーヒーブレイクをはさまないと疲れるほどです。そのかはり丹念に見て回りました。で、目に飛び込んできたのが、佐村八郎著『増訂 國書解題』(臨川書店) といふ分厚い二册本です。迷ひましたが買ひました。 

『広辞苑』にだつて、「上代以来1867年(慶応3)までに著述された二万五〇〇〇部の国書を五十音順に配列し解題した書。佐村八郎編。一卷。18971900(明治3033)刊。1904年増訂版刊」 と載つてゐるくらゐですからね、必ず役立つと思ひます。 

 

今日の寫眞・・ラスコー展。壁画は、「トリ人間」が描かれてゐるところ! 楓さんの書の前でと、美術館の前で寫眞嫌いの妻と珍しくツーショット。ハヤシライスと古本まつり。