二月廿三日(木)辛巳(舊正月廿七日 曇り

 

今日は僕の誕生日。七十歳になりました。 

といつても、何の感慨もありませんが、できれば、あともう少しは生き延びたいと思つてをります。やりたいことがたくさんありますしね。ただ、身邊整理をしておくことは必要なのでせう。 

ところが、母が、最近、「もういいよね。いつ逝つたつていいよね」と言ふのです。さうだなあ、九十三歳にもなつたから、少しは悟つたのかなあ、と思つて聞いてゐたら、「三十までしか生きられないと言はれてゐたんだからもういいよね」なんて、なんのことはない、自分のことではなく、ぼくのことを言つてゐたんです。まあ、失禮してしまふこと! 

それで、母よりは長生きして、妻と自由に羽ばたきたいと、かう思つてゐるしだいであります。 

まあ、そんなに氣負ふ必要もないことでして、今日も、第一册めの「紀行」として仕上げた、記念すべき、『歴史紀行六 平安京編二』 のワード版の作成に集中しました。 

 

さて、「くずし字に親しむ」といふ題に惹かれて申し込んだ講座のパンフレットが屆きました。『学習院 さくらアカデミー 春講座』 といふ案内書です。いかがはしくはなささうなので、一應安心いたしました。 

それで、新聞では、「くずし字に親しむ」だけに目が行つてしまひましたが、他にも多くの講座がありました。「平安朝の日記をよむ」とか、「『今昔物語集』の世界を旅する」とか、「王朝時代の個性」とか、「『今鏡』を読む」とか、それに、「戦国武将の書簡の裏を読む」、「大江戸浮世絵散歩」、「仏教美術への招待 神仏習合 『日本の神』とホトケ」、「徳川家親藩 武蔵 忍藩 松平家の歴史」などなど。 

そのなかで、ぼくは、全十回の「源氏物語をよむ」を受講することにしました。

 

「くずし字に親しむ」のはうは、いはゆる古文書の解讀でありまして、ぼくの讀書計畫からしたら、だいぶ先のことになります。ですから、現在進行中の平安時代を學ぶ意味からも、古典文學を讀むにも、くづし字といつても、變體假名の勉強のために、思ひきつて、『源氏物語』 を讀んでみたいと思つたのでした。 

現在、ぼくの人生最後で最大の「影印本」讀書計畫のうち、『宇都保俊蔭』 を繼讀中です。『源氏物語』 までには、『中務集』、『落窪物語』、『本院侍従集』、それと、『庵ぬし』 がひかへてゐてゐますので、四月の開講までには讀んでしまひたいと思ひます。と、まあ、目標が定まつたので勉強がしやすくなりました。 

それと、ぼくの勉強といふか讀書はまつたくの獨學ですから、それを専門とする先生から學んでみたいと思つたこともあります。

 

今日の讀書・・『宇都保俊蔭』 を少し急ぎたいので、中途半端な面白本は中斷中断することにしました。 

 

今日の寫眞・・『学習院 さくらアカデミー』の新聞廣告。と、我が家のネコども。