三月二日(木)戊子(舊二月五日 曇天のち雨

 

昨夜から、ひきつづき、『歴史紀行九 赤穂浪士引揚げの道 附録 上州紀行』 のワード版編集にとりかかりました。これが仕上がれば、「歴史紀行」(パワポ版で五十九册。ワード版では、まだパワポ化されてゐない、「國會議事堂紀行」と「渡良瀬紀行」と「淺草天丼川柳紀行」を含めて六十二册)のすべてがつながります。あと一息です。 

 

今日のメール・・「歴史紀行」のワード版を急いでゐたのは、實は、旅友のお一人からご要望があつたからで、その何册目かをお送りしたあとで、感想につづいて、以下のやうなご質問がよせられました。ぼくが關心をもつてゐることをご存じで、それで質問されたのでせうが、いやあ、億劫なことです。 

 

次に歴史紀行とは関係ありませんが、最近気になっていることが二点有ります。 

1. 安部が背後にいる「日本会議」が森友学園問題を契機としていよいよ本格的に動き出したこと。(桜井よしこがご不穏な動きをしていたり、橋下・松井が    日本会議に取り込まれようとしていること等) 

2. 貴殿の愛読新聞と聞いている東京新聞の論説副主幹が沖縄問題に関連して、ヘイトスピーチを繰り返していること。 

以上に関して貴殿の感想をおきかせねがえればと思います。 

 

とまあ、難しいといふか、できれば避けて通りたいと思つてゐるぼくに、困つた質問ですが、逃げたりするのはいやですし、昨夜、苦心惨憺して、どうにか以下のやうにお應へいたしました(言葉足らずですが、原文通りです)。 

 

いやあ、Wさん 

難題を持ち出さないでくださいよ! いい氣持ちで歴史を振り返へつてゐるのに、突然現實問題ですからね。でも、實は、これが一番難しいところです。 

ぼくは、歴史家と呼ばれる方々が、テレビにでたり、ありきたりのことを書いてお茶を濁してゐるのを見聞きするにつけて、腹がたつて仕方ないのであります。歴史を振り返り、また歴史を探檢するといふことと、今をどのやうに生きるかとは切り離せないはづなんです。 

藝能人には無理としても、學者や知識人は表立つて現状を批判し、かくあるべき社會を語る責任があるとぼくは信じてゐます。 

とにかく、彼らから、現實問題をどう考へるのか、とくに、現代政治にたいするご意見を聞いたためしがありません。自分が語つたり、書いたものが、どのやうな影響力があるか、氣づかないことは大罪だと思ひます。そのやうな意味で、司馬遼太郎を批判したことがありました! あれは、「歴史紀行十八 我が家の古文書發見!」だつたと思ひます。 

 

まあ、それで、「日本会議」や森友学園問題ですが、ぼくは、ちよつと深刻だと感じてゐます。 

アメリカのトランプではありませんが、「本音」が堂々と表街道に姿を現してきたといふことです。 

それが馬鹿げてゐると思ふくらい批判してやまないぼくや、民主主義を擁護し、育てなければならないと思ふ人ばかりかと思ふと、實は、アベのやりかたや、森友学園でやられてゐる「敎育」に、心の底では、さうださうだ、と言つてゐる、アメリカの「貧困白人層」と同じやうな、賛同者が、想像を絶するくらゐゐるのではないかと、心配するのです。まあ、杞憂ですめばいいですがね。 

 

それでも、これまでは、思想といふか、考へ方のしつかりした政治家や知識人が自らを律して、理想とは言へないまでも、かくあるべき社會や時代を創生すべく格闘してゐたと思ひたいし、またさう思つてゐます。 

ところが、トランプはじめ、アベたちが自制を取り拂ひはじめたことによつて、憲法や法律の條文すら、恣意的に解釋しはじめましたし、理想やかくあるべき社會を、過去に、つまり戰前の明治憲法下の體制にひきもどさうとしはじめましたね。 

黙してゐた人々が、それでは、自分たちも自制を捨ててもいいのだと感違ひはじめたのであります。 

だから、これらのおバカたちが踊らされたら、それこそ戰前回歸なんて簡単にできてしまふかも知れません! 恐ろしすぎて、近ごろはテレビもろくに見ませんし、新聞も表面をなでるだけ。 

 

あれ、なんだか、久しぶりに熱くなつてしまひました! すべてのことにお答へできませんが、このへんでご勘辨を! これ、内緒ですよ。でないと、「共謀罪」とかにひつかかつてしまふかも知れません。 

では、おやすみなさい。 ひげ 2017/03/01 23:12 

 

今日の寫眞・・今日道端で見かけた沈丁花。それと、最近の寅ちやん。 

さう、昨夜は、ぼくの書庫に、昨日町のあちこちで捕へたノラネコ十頭が宿泊。そして今日、動物病院へ連れて行き、避妊手術後、また引取り、それぞれ捕らへた場所で解き放してあげました。 

いや、ぼくがやつたのではなく、妻と、カツネコで協力しあつてゐる方とが行つたことで、ぼくなどは、はらはらしながら、傍から見てゐるしかありませんでした。葛飾區では費用は出さないし(足立區はすべて區から費用を出してくれてゐます!)、まつたくのボランチアですが、まあ、よくやつてゐます。 

かといつて、このお二人さん、猫が好きだからやつてゐるのではありません。いや、好きな人にかぎつて、手傳ひもしないし、ノラネコ避妊活動にそれほど熱心ではありません。むしろ、自らの義務として、これ以上ノラが増えないやうに、可哀想なネコを目にしなくてもすむやうに、やつてゐる二人は、まことに普通人です。 

今日避妊處置した十頭のうち、メスが八頭。なかにはお腹にすでに四匹も子がゐたのがゐたさうです。それも、まだ子どもの可愛いメスで、美少女好きは、人間社會と變らないのかも知れません。