三月廿二日(水)戊申(舊二月廿五日) 晴、北風
先日、葛飾區から、〈医療費のお知らせ〉 が屆きました。昨年の七月から今年の二月までの醫療費の通知です。「医療機関等から葛飾区に医療費の請求があつた全てのもの」といふのですが、内容を見てびつくりしました。
保険に入つてゐる人は、その三割を支拂へばいいわけですが、その金額に、妻とぼくは驚愕してしまひました。
ぼくの場合は、諸事情で、醫療費についてはほんとうに助かつてゐますが、特に、ペースメーカーの手術に實際にかかつた費用を見て、一桁間違つてゐるのではないかと思ひました。それほどの高額だつたのです。
これでは、余裕のない人は躊躇するだらうなと思はれるくらゐの金額です。その三割だけだつてですよ!
それで、ドイツはベルリン在住のわが友、愛ちやんに、ドイツの樣子を聞いてみました。以下は、その回答です。(特注・・個人情報滿載ですから、お讀みの方は、どうか他言なさらぬやう、お願ひいたします。)
淳ちゃん、
日本では、保険に入っていても、医療費は30%の自己負担なのですよね。私は、三年前から、狭心症のステント治療や療養で三度入院をしましたが、入院時の一日10ユーロを払うだけで医療費は保険で支払われていました。基本的に医療費は保険持ちですから、貧乏人の病人は助かっています。
昔(日本にゐるとき・・引用者注)、優子の出産のときに自己負担が多すぎて、困っていたら、産婦人科の先生が、病気という形にしてくれて、随分助かったことを思い出します。日本では出産のお目出度も、病気の不幸もお金が掛かるなと思いました。
ドイツの健康保険制度、まだ安定していて、貧しい年金生活者には有難いことですが、少しずつ自己負担が多くなってくるのではないかと思います。入院や手術治療にお金が掛かるようになったら、黙って死ぬしかないですが、せめてうな重でも食べてから、死ねたら本望です。
二人ともお元気で、そして特に、命綱のお母さまのご健康を祈ります。 愛博
三割だつて助かつてゐると思つてゐましたが、ドイツ(それと、北欧諸國では)、ほとんど無料なんですね! 例へ税金が高くても、それが國民のために正しく還元されるのであれば、こころ穏やかに暮らせるといふものです。
ふり返つて、わが國では、不必要な原子力發電所や國防費、それに政治家や官僚の濫費に使はれてゐると思ふと、毎日がいらいらです。このままでは、死んでも死にきれない氣持ちです。でも、うな重で本望だといふ愛ちやんにならつて、ぼくも、高望みはやめませう。
今日の写真・・ほーむ寫眞 「これは、何? Ⅱ」。