三月廿六日(日)壬子(舊二月廿九日 雨

 

今日の讀書・・早く目覺めて、《古典講読「むかし語りへのいざない~宇治拾遺物語~」》 を聞くことができました。 

今日は第五十回。第一九三話「相応和尚、都卒天に上る事、付染殿の后祈り奉る事」、第一九四話「仁戒上人、往生の事」、第一九五話「秦の始皇、天竺より来たる僧禁獄の事」の三話を聞くことができました。 

第一九四話の「仁戒上人」は、あの玄賓(げんぴん)さんを髣髴させる上人です。玄賓さんと同じ山階寺(興福寺)の僧でありましたが、「にはかに道心をおこして、寺を出でんとし」、惜しまれてとどめられたものですから、奇行にはしつて、逃げおほすことができました。 

たうとう、次週が最終回です。耳と心ををすまして、加賀美幸子アナウンサーの講讀と、伊東玉美先生のお話をお聞きいたしました。 

 

また、 『落窪物語』 の第一卷を讀み終はり、第二卷に入りました。物語として、讀者がどきどきはらはらするやうに仕組まれてゐるところなど、技巧が凝らされてゐてあきません。 

 

*補注・・『落窪物語』 〈概要〉─平安時代の物語。全四巻。作者不詳。源氏物語よりもやや早い成立か。題名の「落窪」は、主人公の薄倖な姫君が置かれた部屋の名前に由来する。美しい容貌を持つ主人公の落窪姫君が、その名の通り寝殿の隅にある、畳の落ち窪んだ陋屋(ろうおく)に住まわされ、継母からのいじめにあうという、シンデレラとも似通った構図を持つ継子いじめ譚。

 

〈内容〉─主人公は中納言源忠頼の娘(落窪の姫)である。母と死別した落窪の姫は継母のもとで暮らすことになったが、継母からは冷遇を受けて落窪の間に住まわされ不幸な境遇にあり、味方は女房のあこきと末弟の三郎君だけであった。そこに現われた貴公子、右近の少将道頼に見出され、姫君に懸想した道頼は彼女のもとに通うようになった。しかしそれを知った継母に納戸に幽閉され、さらには貧しい老中の元へ嫁がされそうになるが、そこを道頼とあこき達に救出され、二人は結ばれる。道頼は姫君をいじめた継母に復讐を果たし、中納言一家は道頼の庇護を得て幸福な生活を送るようになった。 

また、『落窪物語』 は 『源氏物語』 に先立つ中古の物語で、『枕草子』 にも言及がある。恩讐のけじめをはっきりさせているやや単純な筋ながらも、継子いじめの筋を軸に、当時の貴族社会を写実的に描写した物語として評価されている。

 

第一卷は、「落窪姫」が、「継母に納戸に幽閉され、さらには貧しい老中(繼母の叔父・典藥助)の元へ嫁がされそうになる」、のではなく、「落窪姫」を襲ふところで終はりました。このあと、姫が救出され、結ばれた夫である道頼が、姫に代はつて繼母一家に復習をする内容にかはります。けつこう面白い! 

 

今日の寫眞・・新横綱稀勢の里、涙の優勝。