四月五日(水)壬戌(舊三月九日 晴

 

今日も慈恵醫大病院に通院。ただ、午後三時半からでした。去年九月に豫約されてゐたペースメーカー外來です。幸ひ、昨日に定例外來があつたので、改めて血液檢査と心電圖檢査をしなくてもすみまして、それで數分で診察は終はりました。 

ペースメーカー手術のときの男性醫師で、さう、退院のときに、鹽分を攝らないやうにと聲をかけてくれた先生でしたが、今日は、不整脈も見られないので順調ですと昨日同樣念をおされました。それと、ペースメーカーの電池はあと七年半もつさうです。さらに、最近頬が赤いことも訴へましたが、なんでもないと一喝! 次回は九月後の一月です。 

歸路、ちよいと神保町に顔をだしましたが、夕方病院に母を見舞ひ、妻とも會ふことになつてゐたので、ほんの短時間。まあ、母は顔色もよく、元氣さうでした。 

 

今日の讀書・・『落窪物語』 は、毎日十數頁づつ讀んでゐます。 

あ、さう、書き忘れてゐましたが、四月二日の日曜日の朝、《古典講読「むかし語りへのいざない~宇治拾遺物語~」》 の最終回があつたのでした。もちろん聞き忘れはしませんでした。 

最終回は、第一九六話「後の千金の事」と、 第一九七話「盗跖と孔子と問答の事」でした。伊東玉美先生もおつしやつてゐましたが、全話を放送で讀んで解説するといふのは、はじめてのことのやうです。 

ぼくは、内容の面白さもさることながら、加賀美幸子アナウンサーの講讀と、伊東玉美先生のお話を聞くのが樂しみでした。いつか直に伊東玉美先生からお話を聞くことのできる日を夢見ながら長生きしたいと思ひます。 

 

今日の寫眞・・母が育ててゐる我が家の野草。芝公園入口(御成門交差點)にて、櫻を愛でる人々とぼくが入院した慈恵大學病院の病棟(中央奥のビル)。地下鐡大手町驛構内にあるくまざわ書店と、そこで買つた、飯野亮一著『すし・天ぷら・蕎麦・うなぎ』(ちくま学芸文庫)。それと、歸路、神保町で見つけた、「現代短歌界の巨匠」塚本邦雄著の珍しい小説、『十二神将変』(河出文庫)。 

前者は、ぼくにしては久々の新本。でも、挿絵はくづし字滿載ですし、それに内容はぼくの好物ばかりですからね。東京散歩に際しても利用價値絶大なので、主義を枉げて買つてしまひました。