四月十一日(火)戊辰(舊三月十五日・望 雨

 

今日の讀書・・昨夜、古典講読「お伽草子」への誘い》 の第一回で取り上げた、「一寸法師」を讀みました。もちろん複製(影印)でと思ひ、買ひ置いてゐた、『御伽草子』(市古貞次編・全23册・三弥井書店)のうちの一册ですが、開いたところ、ほとんどつまづくことなくわづかな時間で讀み終へることができました! 

うれしかつたですね。まあ、本文は十八頁しかない短編だからでもありますが、言葉づかいが平安時代のものにくらべて斷然分かりやすいのです。分からなかつたのは「うちまき」といふ單語くらいだつたでせうか。このせいで姫が追放されるのですからすぐ『広辞苑』をひきました。 

ああ、それに、一寸法師が思ひをよせる宰相の姫が追ひやられる時、「繼母のことなれば、さしてとどめ給はず」とあつて、これは『落窪物語』よりずつと下つた時代の物語ですが、ここにも一夫多妻の被害者がをられました。 

 

咳がおさまらず、寒いので、また今日も一日蒲團のなかで讀書。おかげさまで、『落窪物語 卷之三』 がやうやく終はりに近づきました。 

 

今日の寫眞・・『御伽草子』は、「奈良繪本」と呼ばれるくらゐ挿繪の多い册子でして、そのなかの二枚。