五月四日(木)辛卯(舊四月九日 晴

 

今日の讀書・・ひどくはないけれど、咳と痰がなかなかとまりません。息をすると、胸の中でヒーヒー、ゼーゼーと音がするやうで、前回のときとちよいと違ひます。まあ、今月の通院のときに専門醫を紹介してもらはうかと考へてゐます。

 

さて、このところ寢てばかりゐるので讀書がすすみ、今日、『宮内庁書陵部藏 靑表紙本 源氏物語〈桐壷〉』 を讀み終はらせることができました。殘りは五十三帖! どうしても注釋書のお世話を願はなくてはなりませんが、くづし字はすべて解讀できました。できれば、讀みながら内容が分かつたらいいのですがね。 

そこで、〈帚木〉に入る前に、NHKラジオ2 古典講読「お伽草子」への誘ひ》 のテキストが、「一寸法師」とものくさ太郎」につづいて、猿源氏草紙」 のやうなので、讀んでみようかと思ひます。 

なにせくづし字を學びはじめてまる四年、今や、くづし字で日本古典文學を讀むことは、ぼくの人生最後で最大の目標といふかライフワークとなつてゐます。ですからね、倒れるまでにどれだけ讀めるか、弱音をはいてゐてはなりませぬ。 

 

*注・・「猿源氏草紙(さるげんじそうし)」 江戸時代、寛文年間(166173)に大坂心斎橋の書肆渋川清右衛門が〈いにしへのおもしろき草子〉を選び、《御伽文庫》と名づけ板行した23編中の一つ。室町時代の成立。作者未詳。 

内容は、伊勢の国阿漕が浦の「猿源氏」と名乗る鰯売りが、和歌連歌の歌徳により、五条東洞院の遊女〈蛍火〉との恋を遂げ、立身出世するというもので、猿源氏は光源氏の名を踏まえており、いわば《源氏物語》の庶民版草子ともいえる。 

 

 今日の寫眞・・『源氏物語繪卷』からと、猿源氏草紙」の冒頭。ともにネットの畫像から拝借しましたが、畫素數が小さいのが殘念です。 

さういへば、五島美術館で開催中の 「春の優品展 歌仙と歌枕」(四月一日~五月七日) に、特別展示として、國寶「源氏物語繪卷」が見られるやうなのであります。できれば行きたい!