八月十三日(日)壬申(舊六月廿二日 曇り

 

今日の讀書・・今日から、『今鏡を読む』 の準備をはじめました。ところが、いい參考書がなくて、『今鏡』 本文を讀み進んだのですが、講義を受けるには、むしろその時代を把握しておいたはうがよくはないかと、あらためて本箱を探しまはつて、『愚管抄』 と 『神皇正統記』 を出してきて、一〇二五年から一一七〇年までの時代の記事を讀むことにしました。と言つてもいきなりは讀めません。ぼくは何でも助走が長くて、自分でもあきれるくらいです。それでいてせつかちなのはどうしたものでせう。 

さて、その間の時代は、後一條天皇から高倉天皇の時代でありまして、平忠常の亂が起こるは、前九年の役は起こるは、後三年の役も起こるは、延暦寺と園城寺の闘爭が激化するは、たうとう、保元・平治の亂が勃發して、源平爭亂の時代に入るのであります。いやがうへにも期待がたかまります。 

ところが、參考書によると、「四鏡」 と呼ばれる歴史物語のうち、この 『今鏡』 がいちばんつまらないのださうであります。ネットを見たら、こんなことが書かれてありました。

 

四鏡はいずれも人ならぬ長寿の老人の昔語りの体裁を取ります。 

・大鏡。850年から1025年。花山天皇追放や道長の成り上がり、藤原家の内紛など劇的な歴史。 

・今鏡。続大鏡で1025年から1171年。武士ほったらかしで貴族の没落史。末法思想も絡んでつまらない一品。 

・水鏡。前大鏡で神武即位から850年まで。過去の歴史書からの受け売りで新発見なし。 

・増鏡。新今鏡で後鳥羽即位から後醍醐の京都帰還まで。 

 

このやうですから、あまり期待できさうにもありませんが、武士が擡頭しつつある時代であるといふことを絶えず意識しながら學んでいきたいと思ひます。 

さう、今日は、飲む點滴といはれてゐる甘酒を飲みのみ勉強いたしました。たしかに効いたやうです。 

 

今日の寫眞・・今日とどいた本。この関幸彦先生に、『今鏡を読む』 の三日間の集中講義を受けることになつてゐます。それと、澁谷東急東横店で見かけた注意表示!