八月十四日(月)癸酉(舊六月廿三日 曇天、時々小雨

 

今日の讀書・・『今鏡を読む』 の準備をはじめましたが、何を讀んだらよいのかこんがらがつてしまひました。たしかに、原文を讀めばいいのでありまして、講談社學術文庫の 『今鏡(上)』 を五分の二ほど讀んでみました。けれど、歴史物語とはいへ、こんなことがありました的な、出來事の羅列ですから、それなりに面白いのですけれど、やはり歴史のお勉強にはなりません。『愚管抄』 と 『神皇正統記』 を開いてみたところ、こちらはこちらでまた凝縮された歴史記述なもので、これまた一應の展望を得ておきたいと思ひました。

 

それで、一〇二五年から一一七〇年までの時代を見わたすために、あれこれある參考書の中から、前に讀んだことのある、保立道久著『平安王朝』(岩波新書) を出してきて、そのうちの第Ⅳ章 〈「院政」と内乱の時代〉 を讀みました。複雑な人間關係といふか、權力關係を、自作の系圖と年表をたよりに、思ひ出しながら、どうにか讀んでみました。これで丸一日費やしてしまひましたが、やはり正解でした。一應のパースペクティブを得たやうに思ひます。 

また、幸ひ、慈圓の『愚管抄』 と 北畠親房の『神皇正統記』 の現代語譯が、「日本の名著」(中央公論社) の中にあつたので、それを讀むことにしました。 

學習院さくらアカデミーの、《『今鏡』を読む 王朝貴族の実相を考える》。はたしてどんな講義になるのか、期待とともに不安でもあります。まあ、この場合、なにも準備しないでといふわけにはいきませんね。 

 

今日の寫眞・・今日もお世話になつた、飮む點滴、甘酒二種。それと、お初の梨。