八月卅一日(木)庚寅(舊七月十日 雨のちやむ

 

前回受けたのは、二〇一四年十月のことでした。その前はいつだつたか忘れましたが、二回とも眠りから覺めたらすんでゐたのでした。だから今日も心配も不安もありませんでした。これを母や妻に話すと信じられないといふのですが、慈惠大病院での檢査しか知らないぼくには、比較してどうのかうの言ふ資格はありませんが、聞くところでは、みなさんみな苦しかつたと言ふのです。 

それより、内視鏡檢査(胃カメラ)室のとなりが大腸檢査室で、そちらは滿員盛況でした。男性だけでなく女性も目立ちました。あいにくと言つていいのか、幸ひと言つていいのか、そのはうにはぼくはまだ經驗がありません。 

で、昨夜からなにも食べてゐなかつたので、病院を出るや否や、すぐとなりの中華屋さんに入り、五目焼きそばをいただきました。餘分にお酢を足して、これがとても美味しかつたです。 

 

今日の讀書・・昨夜は、たうとう池波正太郎さんの 『秘伝の声』(上下) を讀み終へてしまひました。そして、今日は、同じ池波さんの 『剣客群像』(文春文庫) を持つて家をでました。 

 

八月一日~卅一日までの讀書記録

 

八月一日 伊東祐子著 「源氏物語の引歌の種々相」 (『源氏物語の探究 第十二輯』 風間書房、所収) 

八月三日 繁田信一著 『殴り合う貴族たち』 (角川文庫) 

八月四日 宮内庁書陵部藏 靑表紙本 『源氏物語〈花宴〉』 (新典社) 

八月六日 伊東祐子著 「源氏物語の 『鳥』 考」 (『古典文學論叢』 明治書院、所収) 

八月七日 丸谷才一対談集 『文学ときどき酒』 (中公文庫) 

八月九日 池波正太郎著 『西鄕隆盛』 (角川文庫) 

八月十四日 保立道久著 『平安王朝』 (岩波新書) このうち、第Ⅳ章 〈「院政」と内乱の時代〉 を再讀 

八月十五日 永井路子・永原慶二・大隅和雄三鼎談 「中世貴族の思考形式」 (「日本の名著9 愚管抄・神皇正統記」 中央公論社、附録) 

八月十五日 北畠親房著・永原慶二譯 『神皇正統記』 (そのうち、第六十七代三条院から第八十代高倉院まで 中央公論社) 

八月十六日 慈圓著・大隅和雄三譯 『愚管抄』 (そのうち、卷第四 中央公論社) 

八月廿日 高野和明著 『ジェノサイド』 (角川書店)  

八月廿四日 永井路子著 『望みしは何ぞ 王朝─優雅なる野望』 (中公文庫) 

八月廿六日 永井路子著 『大鏡』 (岩波書店 古典を読む11 

八月廿八日 ジョン・ダニング著 『死の藏書』 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 

八月卅日 池波正太郎著 『秘伝の声(上)』 (新潮文庫) 

八月卅日 池波正太郎著 『秘伝の声(下)』 (新潮文庫) 

 

今日の寫眞・・慈惠大病院の「建學精神」その他と、五目焼きそば。