九月卅日(土)庚申八月十一日) 曇り

 

今日は土曜日。さくらアカデミー 《源氏物語をよむ》 の講義がある日であります。きのうの今日でありましたけれど出かけてまゐりました。 

午後一時開講ですが、みなさん、だいぶはやくこられて豫習に餘念がありません。でも、おしやべりのぼくは、おぢやまをするつもりはもうとうありませんが、何かと話しかけてゐましたら、讀むのが早いと言はれました。さういへば、以前にも他の方から、さうだ先生にも同じやうに言はれたのを思ひだしました。 

「『ひげ日記』を見てね」と、押しつけがましくお教へしたからでした。あとで考へれば、「もう時間がないんです。あと十年生きられるとしても、殘りは3650日。のんびりしてはゐられません」とでも、答へられたらよかつたのに。たしかに、十年ももたないだらうなあ、と、この春以來の不調を思ふと言はざるをえません。まあ、どこまで讀めるか、途中で行き倒れるのを覺悟で進むしかありません。

 

それで、『源氏物語〈桐壺〉』 ですが、「靑表紙本」でいへば、五三頁から、六〇頁までを讀みました。桐壺帝のもとに、今は亡き桐壺の更衣の「御かたち(容貌)に(似)給へる」藤壺が入内したこと。「源氏の君」、また「ひかる君」と呼ばれるやうになつた君が、「あんたの母さんに似てるのよ」と女房たちに言はれて、藤壺を慕ふやうになり、さらに元服したところまででした。「ひかる君」、十二歳でありますね。 

「靑表紙本」では、殘り十頁。あと二回はかかるでせうね。つづく〈帚木〉の卷も興味深さうです。それにしても、殘された時間内で全卷讀めるでせうか? 

 

歸路、高圓寺の古書會館の古書市を訪ねました。もう、あれこれ買ひ集めるやうなまねはしませんが、それでも、この機會をのがしたら、と思ふと、つい手に取つてしまひたくなるのであります。それで、今日は二册、北村季吟古註釋集成の 『古今集序抄』 五〇〇圓と、渡邊一夫先生の 『知識人の抗議』(アテネ文庫) 二五〇圓の二册です。『古今集序抄』 のはうは影印本です。 

渡邊一夫先生の 『知識人の抗議』 は、すでに手元にあつたかなあ、と首をかしげつつも、その内容に觸れたら、今だからこそ買ひ込まざるをえませんでした。 

 

今日の寫眞・・大塚驛前のビルより。ちよいと不思議な感覺? それと、北村季吟古註釋集成別2 『古今集序抄』 (新典社) と渡邊一夫著 『知識人の抗議』 (アテネ文庫) 。

 


 

 

九月一日~卅日までの讀書記録

 

九月二日 池波正太郎著 『剣客群像』 (文春文庫)

 

九月六日 日本古典文学会編 『訪書の旅 集書の旅』 (貴重本刊行会)

 

九月九日 池波正太郎著 『殺しの掟』 (講談社文庫)

 

九月十日 池波正太郎著 『殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安一』 (講談社文庫)再讀

 

九月十一日 武者小路實篤著 『井原西鶴』 (角川文庫)

 

九月十一日 横山重著 好色一代男 解説』 (岩波文庫)

 

九月十一日 池波正太郎著 『梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安二』 (講談社文庫)再讀

 

九月十四日 福原俊彦著 『書物奉行、江戸を奔る! 新井白石の秘文書』 (朝日文庫)

 

九月十五日 池波正太郎著 『梅安最合傘 仕掛人・藤枝梅安三』 (講談社文庫)再讀

 

九月十六日 池波正太郎著 『梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安四』 (講談社文庫)再讀

 

九月十八日 池波正太郎著 『梅安乱れ雲 仕掛人・藤枝梅安五』 (講談社文庫)再讀

 

九月十八日 池波正太郎著 『梅安影法師 仕掛人・藤枝梅安六』 (講談社文庫)再讀

 

九月十九日 池波正太郎著 『梅安冬時雨 仕掛人・藤枝梅安七』 (講談社文庫)再讀

 

九月廿二日 藤沢周平作著(著作年代順一) 『暗殺の年輪』 (文春文庫)再讀

 

九月廿五日 藤沢周平作著(二) 『又藏の火』 (文春文庫)再讀

 

九月廿八日 紫式部著 『源氏物語〈葵〉』 (宮内庁書陵部藏・靑表紙本 新典社)

 

九月廿八日 藤沢周平作著(三) 『闇の梯子』 (文春文庫)再讀

 

それと、まだ途中ですけれど、井原西鶴の 『好色一代男』 の複製本。世之介君、七歳、八歳、九歳、十歳、十一歳までのおませなエピソード、五編まで讀みつつあります。