十一月廿五日(土)丙辰(舊十月八日 晴

 

今日の讀書・・今日は朝からよい天氣。學習院さくらアカデミーの日ですが、寄り道をして、いつもの如く、目と頭腦の肥やしのために神田古書會館へ行つてきました。はじめから重たい本は敬遠し、輕い和本を漁りましたところ、今日は大當り。

 

『説經かるかや(上中下)』、『田舎一休(四)』、それに、『古今和歌集(下)』 の豆本が見つかりました。『古今和歌集』 は、ぢき「上」が讀み終はるので、「下」の戀歌からは、細かい文字ですが讀みやすい印刷の本書で讀んでいきたいと思ひました。まあ、興味を持續させるのも、手を換へ品を換へでたいへんです。

 

それで、氣分よくさくらアカデミーに出席。みなさんには、先週訪ねた出光美術館のおみやげのポストカードを差し上げたところ、それが傳小野道風の「継色紙」だつたものですから、先生がそのくづし字を解讀してくださり、くづし字の勉強の應用編になりました。ですが、ちよいと差し出がましくてすみませんでした。

 

《源氏物語をよむ》は、〈帚木〉の卷の「あまよの品定め」のつづきです。まだこれからもつづきさうですが、まあ、なんと言つたらよいのか、女性論から夫婦論、いや理想論なんでせうが、色戀に疎いぼくには勉強になります。 

「靑表紙本」で、二四頁のはじめから、三六頁の三行目まで讀み進みました。 

 

歸路、恵比壽驛に降り、今日開幕した、ユージン・スミス寫眞展を見に行きました。混んでゐるといふこともなく、一點一點見て回ることができました。ユージン・スミスの人物にも興味がわきましたが、なんと言つても水俣病のドキュメントでせう。懲りない面々が、これでもかこれでもかと原子力發電を推し進めてゐる狂氣をどうしたらいいものか、考へざるを得ませんでした。 

 

今日の寫眞・・今日はもうこの一枚にしかず。東京新聞第一面の寫眞をみて、ぼくは鳥肌が立つてしまひました。このやうな視線を投げかけられてゐることに鈍感でゐられることが、おごり高ぶつた者の資質、いや狂氣と言へるところなのかも知れません。 

それと、今日開幕した、ユージン・スミス寫眞展。さいごはおまけの「継色紙」。