十二月十六日(火)癸酉(舊十月廿五日) 曇り、午後一時日差し
今日は、『歴史紀行 六十七 平安京編五・藤原道長紀行』 を仕上げました。すでに骨格は出來上がつてゐましたが、全體の體裁を整へるのに時間がかかりました。
仕上がり次第、まづ、學習院大學の〈さくらアカデミー〉で、《源氏物語をよむ》を受けてゐるクラスメートのみなさんにお送りしました。この紀行の旅から歸つたあと、眞つ先に報告させていただいた方々だからです。
そして、これから順次友人知人のみなさんにもお送りするつもりです。
今日の讀書は、謠曲本の、『葵上』と『野宮』。『源氏物語』に題材をとつたものです。宝生流のもあるやうですが、ぼくのは觀世流の册子。薄いので、すぐに讀めました、が理解したかどうかはまた別の次元です!
今日の御詠歌・・さあ、くづし字のお勉強がどこまで進んでをられるのでせうか。まあ、お遊びとしてお付き會ひくださいませ。
それで、今日は、十番の解説からで、十番、十一番、十一番の解説、(十二番の解説は宿題)
*昨日の宿題、十番の解説
「第十ばん 山しろ國うぢ(宇治)郡うぢ村明星ざん三室戸寺
本尊千手觀世音菩薩 御長一尺二寸 隆明阿闍梨の御作にして 開山ちしやう大し(智證大師)なり」 (「うぢ」の「う」のくづし字が獨特です!)
*第十番札所
「十ばん 山しろうぢのみむろだう
よもすから つきをみむろと わけゆけは うぢのかはせに たつはしらなみ」
(夜もすがら 月を三室戸 わけゆけば 宇治の川瀨に 立つは白波)
*第十一番札所
「十一ばん 山しろの國 かみのだいご寺
ぎやくゑんも もらさですくふ ぐはんなれば じゆんれいだうは たのもしきかな」
(逆縁も もらさで救ふ 願なれば 准胝堂は たのもしきかな)
ここでは、「じゆんれいだう」と讀めるが、漢字では「准胝堂」と書くので、「じゆんてい」と書くべきか? 『觀世音御詠歌』では「じゆん提(てい)だう」となつてゐます。
*十一番の解説
「第十一ばん 山しろ國 うぢ郡だいご村しんせつざん(深雪山)上(かみ)のだいご(醍醐)寺
本尊じゆんてい(准胝)觀世音菩薩 御長五尺 開山りげん大師の御作なり」
今日の寫眞・・昨日求めた和本類、それと、古文書を讀むための必需辭典。